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概要

シンシア No.6

女子医のある街北区田端東洋医学研究所がある田端駅前のNSKビル。東洋医学研究所鍼灸施設を併設した医科大有数の漢方診療施設引き受けたからには患者さんの病状を悪化させない東京女子医科大学附属東洋医学研究所(地図1)は1992年、新宿NSビルで産声を上げた。我が国の医療は明治初頭まで主に漢方医(東洋医学)が担ってきた。しかし、文明開化の中で西洋医学の必要性が叫ばれ、西洋医学を学んで国家試験に合格した者に医師免許が与えられるようになった。これに対し漢方医は継続運動を展開したが、1895(明治28)年の帝国議会で漢方医側から出された改正案が否決され、西洋医学を修めた者だけが医師として公認されるようになった。これにより、東洋医学は日本において事実上、消滅した。戦後、70年の空白を経て東洋医学が見直されるようになり、1967(昭和42)年に初めて6種類の漢方エキス製剤が保険適用となった。75年以降にはその数が148種類まで拡大され、現在に至っている。東洋医学研究所はこうした時代背景の中で誕生し、「少なくとも患者さんの病状をお引き受けしたときよりも悪化させない」ことを基本に、漢方診療をスタートさせた。初代専任教授に就任し、のちに所長を務めた故・代田文彦氏は、鍼灸にも精通していたことから、漢方診療とともに東洋医学研究所・漢方診療クリニックの待合室。鍼灸治療施設の受付ロビー。10 Sincere|No.6-2016