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概要

sincere no05

至誠人女性肛門科専門医の草分けとして後進の人たちとの連携を図っていきたい作家の遠藤周作氏から肛門科医になることをすすめられ、2000年におしゃれなネーミングの「マリーゴールドクリニック」を開業した山口トキコさん。持ち前の明るさと元気のよさから、テレビやラジオ、雑誌などでも大活躍である。山口トキコ(マリーゴールドクリニック院長・医学博士)外科医になってすぐに悩みに直面私の父や祖父は医者ではありませんあらとでしたが、先祖は山形の荒砥という小さな藩の藩医だったことから、いずれ身内の誰かに医者になってもらいたいと願っていました。それを私が真に受けたのが医師をめざした理由で、小学3年生のときに作文で「医者になる」と書いていました。一時は体育の先生になろうかと思いましたが、東京女子医大に入学することができ、大学院へも進んで外科の臨床を学びました。大学院を修了し、晴れて女子医大病院の外科医となってまもなく、胃がんの手術を受け膵臓の一部も摘出した患者さんを看取るという経験をしました。手術をしても治すことができないことを目の当たりにし、このまま外科医を続けるかどうか大いに悩みました。親は、皮膚科医になって地元山形で開業することを希望していましたから、本気でそうしようかとも思いました。が、そのあと救急医療に携わったらまた血が騒ぎ、そのまま外科医の道を進むことにしたのです。そして4年後、社会保険中央総合病院(現・東京山手メディカルセンター)へ移りました。遠藤周作氏に導かれて肛門科医にその頃、乳がんを患っていた母の病状が悪化して女子医大病院に入院することになり、私は一時休職して病室で寝泊まりしながら看病することにしました。夜中に注射を打たなければならないこと04 Sincere|No.5-2016