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概要

sincere no05

医療現場最前線レポート目の奥に位置する黄斑は、視力をつかさどる重要な部分であるが、以前は眼科医でさえ触れることのできない場所だった。この黄斑部の疾患に関する診療で、国内はもとより世界からも注目されているのが、東京女子医科大学病院の眼科である。加齢黄斑変性の患者さんの眼球に薬剤注射をする治療。加齢黄斑変性をはじめとする黄斑疾患の先進的な診断・治療に世界が注目!目の基本構造か加齢黄斑変性と診断された男性ビジネスパーソンIT関連の仕事をしているIさん(男性)は、2013年の夏頃からなんとなくモノが見づらいと感じるようになった。1年後、「明らかに異常をきたしている」と思い、都内にある自宅から最寄りの総合病院へ駆け込んだ。右目をつぶって新聞を目にしたとき、文字がにじんだような感じに見えたからだ。だが、検査をしてもはっきりとした診断は下されなかった。Iさんは再三再四、症状を訴え、検査を繰り返したところ、加齢黄斑変性の疑いがあるとのことで、その診療に定評のある女子医大病院を紹介された。2014年10月、女子医大病院で診察を受けたIさんは、やはり左目に加齢黄斑変性を発症していたことが判明。ただちに、眼球内に薬を注射する抗VEGF療法という治療が開始された。これによりIさんは、にじんだように見えていた部分がクリアになり、視力を回復させることができた。人間の目は小さいながら、非常に複雑で精巧なシステムを持つ器官である(イラスト参照)。光の情報は角膜から瞳孔、16 Sincere|No.5-2016