ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

sincere no05

少人数で討論が繰り広げられるテュートリアルの授業風景。八角形に組まれた机が特徴のテュートリアル専用ルーム。科大・医学部に先駆けて1990年にテュートリアルを導入したことに始まる。テュートリアルは、学生自らが問題点を見つけ、解決法を探る自己主導型の学習法で、6~8人の少人数グループで討論しながらより確実な解決法を導き出していくのが特徴だ。グループにはテュータと呼ばれる教員が1人加わるが、助言をするだけである。講義では知識を、実習では技術を修得するが、テュートリアルでは学び方(態度)を学ぶ。テュータ役の一人、医学部生物学の松下晋准教授はテュートリアルのメリットを次のように語る。「医学は日進月歩で進化するため、医師は常に新しい知識に接するよう自学自習が求められます。テュートリアルには、そうした能力と習慣を身につける狙いがあります。自ら学んだことはより身につき、実践に応用できる知識となります」。女子医大では、学年が進むにつれて“入門”から“学習項目発見”、“診療問題解決”へと内容が進化していく「累進型テュートリアル」を実践しているのが特徴の一つである。そして、1年次から4年次まで講義・実習とともにテュートリアルが行われ、カリキュラム全体の約4分の1をテュートリアルが占めている。「現在、国内80大学の医学部のうちテュートリアルを導入しているのは76校を数えますが、1年次から4年次まで4年間完全な形で実施しているのは当校を含めてわずか3校だけです」と、医学教育学の大久保由美子講師は女子医大のテュートリアルの充実ぶりを強調する。女子同士だから本音で話し合えるテュートリアルは、提示された事例(課題シート)から疑問点や学習項目をグループで話し合って抽出し、それらについて各自が図書館などで調べて理解したことをノートにまとめる。それを次のテュートリアルセッションでお互いに報告視察室からはハーフミラー越しにテュートリアルを見学できる。し合い、討論しながら理解を深めるとともに、新たな疑問点や学習項目を見つを行う。昨年も、会場はたくさんの女子ける。そうした流れで授業が展開され、高生やそのご家族で埋め尽くされた。最後に学習状況を振り返り、評価が行山梨から駆けつけた女子高生は、「本われる。音で話し合いながら討論されていて、発テュートリアルに対して1年次の学生た言しづらいという雰囲気はありませんでしちからは、「高校時代は討論するという機た。それは女子同士だからかもしれませ会がほとんどなかったのでとても新鮮」、ん。女子だけで何でも解決していかなけ「テュートリアルは講義より楽しく、学習意ればならないので、女子医大のほうが他欲がわく」、「講義で習ったことをベースとの大学より成長できそうな気がします」とした課題に取り組むので発展性があり、いう。彼女の母親も、「患者さんに寄り添知識が身につく」といった声が聞かれた。う医師というのは、こうして養成されてい毎年秋に開催される学園祭では、公くんですね。一人ひとりの学生の観点が開テュートリアルが恒例となっている。違うため学ぶことがそれだけ多くなり、講100人超が座れる中央校舎5階の教室義で勉強することが少なくなってしまうのを会場にして、3年次学生の1グループではないか、という不安も払拭できましが実際の授業と同じようにテュートリアルた」と語ってくれた。昨年の学園祭での公開テュートリアルの模様。会場には受験志望の女子高生やそのご家族がたくさん詰めかけた。Sincere|No.5-2016 15