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概要

sincere no04

結ぶ東葉高速線が1996(平成8)年に開業したことにより、沿線にはマンションや戸建て住宅が建ち並び、若い世代の人口流入が続いた。こうした背景から、この地域では小児・周産期医療の供給が不足し、救急医療体制も不十分だった。八千代医療センターがその大きな担い手と位置づけられたことはいうまでもない。一方、八千代市内には京成本線沿いを中心に昭和40年代から50年代前半にかけて造られた公団住宅(当時の日本住宅公団が供給した住宅)がいくつも立地しているように、古くからの既存住宅も多い。このため、八千代医療センター周辺では熟年世代の住民の高齢化も加速している。つまり、人口分布が若年世代と高齢世代に二極化しているのである。このような地域特性に対応すべく、八千代医療センターでは新病棟の建設を契機に、成人医療も積極的に推進していく方針を打ち出している。新井田達雄病院長は、「小児・周産期医療に強みを発揮しているという特徴を生かしながら、さらにその充実を図り、小児救命センターとして全国9番目の拠点病院をめざします。加えて、心血管疾患、脳血管疾患、がん、糖尿病などの成人医療を重点的に整備し、病棟を再編していきます」と語る。総合周産期母子医療センターをはじめ臨床研修病院、地域災害拠点病院、がん診療連携協力病院、DMAT指定医療機関などに指定されている八千代医療センターは、オープン10年目に当たる来年の新病棟開設と成人医療の強化により、高度急性期病院・地域中核病院として新たな節目を迎えようとしているのである。地域住民との交流を深める二大イベント八千代医療センターでは毎年、「やちよ健康フェスタ」と「ウィンターフェスタ」を開催している。「やちよ健康フェスタ」は、中高生を対象とした医師体験や病院内見学、オープンホスピタル、健康セミナーなどのプログラムで構成されるイベントで、毎年9月に実施。「ウィンターフェスタ」は、コンサートやミュージカルを交えた健康公開講座で、毎年2月に行われる。いずれも、約400人の会員から成る「八千代医療センターを支持する市民の会」という組織の協力を得た催しで、文字どおり地域に密着した“市民との交流の場”となっており、どちらのイベントも多くの人たちで賑わう。八千代医療センターはこれまで、『DOCTORS最強の名医』シリーズをはじめとする数々のテレビドラマの舞台となってきたことでも知られる。こうした一面も市民にとっては大きな誇りであり、八千代医療センターがより身近な存在として親しまれている要因となっているようだ。外来棟と入院棟を結ぶ2階連絡通路。明るく楽しい雰囲気の小児科外来の待合室。高度な設備と医療スタッフを備えたPICU(小児集中治療室)。昨年導入された最新鋭のCT装置。外来入口に通じる象徴的な通路。Sincere|No.4-2015 11