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概要

シンシア 2014.No.3

健康維持・予防セミナー脳卒中自分の血圧を知ることが脳卒中予防の第一歩東京女子医科大学病院総合外来センター2階にある脳神経外科の外来。脳出血を経験したKさんは3か月に1度の割合でここを訪れ、岡田芳和教授(女子医大病院・病院長)の診察を受けている。運んだ。そこでCT検査をしたところ、脳出血であることが判明。すぐに女子医大病院に搬送された。Kさんは2日間意識が戻らず、気がついたときはICUのベッドに横たわっていた。□親族に高血圧の人がいたら要注意□ゴルフ場で頭痛に襲われ倒れる脳出血は脳卒中の一種で、文字どお脳卒中血管が破れるタイプ血管が詰まるタイプ脳出血くも膜下出血脳梗塞Kさん(女性)は東京・杉並区で自営業を営んでおり、ゴルフを趣味としている。12年前の10月半ば。その日、Kさんは朝早く起き、朝食をとらずに自分で車を運転して埼玉県下のゴルフ場へ向かった。急に秋めいて紅葉しはじめた緑の中、気持ち良く1番ホールのティーショットを放ってラウンドを開始した。だが、5番、6番、7番とホールを重ねるにつれてだんだんと頭が痛くなり、ついに9番ホールを迎えたところでティーグラウンドの脇にあるベンチに倒れ込み、そのまま意識を失ってしまった。Kさんのパーティーにはたまたま内科の医師がいた。その人が機転を利かせてり脳の血管が破れる出血性のものである。くも膜下出血も同じだ。これに対し、血管が詰まる虚血性の脳卒中が脳梗塞である。脳梗塞は手のしびれや舌のもつれ、力が入らない、目が見えにくくなるといった“前ぶれ”が現れるが、脳出血の場合は分かりにくいのが特徴だ。岡田教授は、「脳出血の原因の多くは高血圧ですが、血圧の高い人は低い人に比べて元気が良く、朝からはつらつと動けるタイプが多いため、よけい発症を分かりづらくしています」と説明する。Kさんも脳出血で倒れる前は何の兆候もなかった。「毎年、人間ドックに入って健康診断を受けていましたが、高血圧救急車を手配し、Kさんを近くの病院へといわれたことはありませんでした」という。20 Sincere|No.3-2015