ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

シンシア 2014.No.3

■国際交流協定締結校と累計派遣・受入学生数(2014年11月1日現在)締結(年)大学名国・地域名派遣学生数(累計・人)受入学生数(累計・人)キャンパスの談話室で女子医大生と交流するアメリカからの留学生。199719992002200320042005200720082010201220132014カーディフ大学(旧ウェールズ医科大学)ブリュッセル自由大学ハワイ大学上海交通大学医学院(旧上海第二医科大学)コロンビア大学テキサス大学(メモリアル・ハーマン病院)中国医科大学エクス=マルセイユ大学梨花女子大学マウントサイナイ医科大学ブラウン大学オデッサ医科大学台北医学大学ハジェテペ大学イギリスベルギーアメリカ中国アメリカアメリカ中国フランス韓国アメリカアメリカウクライナ台湾トルコ合計78621619205111013114020251606812195018221662242236日本の病院の良さを指摘する。もう1人の男子学生も、「日本の外来では患者さんが順番に診察室に入ってドクターに診てもらいますが、アメリカではいくつかのブースに患者さんが待機していて、ドクターがそれらのブースを回りながら診察します。また、アメリカにはいろいろな医療保険がありますが、日本には誰もが平等に診療を受けられるすばらしい国民医療保険制度があります」と、日本の医療の効率の良さを高評価。そして、2人そろって「珍しい症例をたくさん目にする機会を得てとても勉強になりました。週末には浅草や鎌倉などを観光し、おいしいスシやラーメンも堪能しました。すべての経験が将来に役立つと思います」と語ってくれた。女子医大では昨年、こうした交換留学生を海外10大学から29人受け入れ、女子医大からは海外9大学へ19人の医学部学生を派遣し、国際交流を深めている。私立医大の交換留学のパイオニア女子医大の国際交流は、学内に国際交流委員会が設置された1997年に本格的なスタートを切った。この年、イギリスのカーディフ大学(旧ウェールズ医科大学)と国際交流協定を締結し、女子医大の学生2人が交換留学生の第一号としてイギリスへ渡った。当時、私立の医科大学が海外交換留学プログラムを導入したのは画期的なことだった。その後、1999年にベルギー・ブリュッセル自由大学、2002年にアメリカ・ハワイ大学および中国・上海交通大学医学院(旧上海第二医科大学)と国際交流協定を結び、以後毎年のように協定校を増やしてきた。現在、協定校は世界9か国・地域に14校を数え、これまでに250人以上の学生をこれらの協定校へ派遣するとともに、受入学生数も優に200人以上にのぼっている。女子医大からの派遣留学生は、臨床実習が始まる5学年生を対象としており、留学先での病院実習は女子医大での病院実習の単位として振り替えられる。つまり、単位認定されるわけだ。受入留学生の単位付与については、女子医大での病院実習を選択科目の単位として留学で得た人脈が次の留学チャンスにつながりました東京女子医科大学病院小児科講師石垣景子私は女子医大の交換留学生第一号として、1997年にイギリスのウェールズ医科大学(現カーディフ大学)へ留学しました。5年生になったら海外留学したいと思っていたところ、交換留学制度がスタートすることになり、運良くチャンスをつかむことができました。イギリスでは同じ5年生が医師として働いていたのがとても刺激的で、病院実習といっても日本とはかなり違うことに驚きました。それと、GP(ホームドクター)という制度があり、患者さんがいきなり大学病院へ行くことはないというのも新発見でした。大学院に進んでから2度目の留学チャンスを得てフランスへ行き、専門分野である筋疾患の遺伝子解析に打ち込みました。フランス語と格闘する毎日でしたが、レベルの高い研究所での留学生活はとても貴重なものでした。その後、文部科学省の派遣要員としてアメリカのコロンビア大学等への留学を経て、2010年には筋ジストロフィーの遺伝子治療の最先端を学ぶために再びフランスとイギリスに留学しました。このように大学を卒業してからも数回、海外留学を経験していますが、いずれも学生時代のイギリス留学が“踏み台”になっていることはいうまでもありません。そして、留学するごとに新しい友人ができ、それらの人脈が次の留学の実現へとつながっています。海外には行ってみないと分からないことがたくさんあります。自分がいかに知らないかを知るためにも、海外留学は有意義です。若いうちに交換留学制度を活用して視野を広げてほしいと思います。18 Sincere|No.3-2015