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概要

シンシア 2014.No.3

医療現場最前線レポートがんセンター今や2人に1人ががんになるといわれ、年間死亡者のおよそ4人に1人ががんで亡くなっている。がん医療に定評のある東京女子医科大学病院では、いち早く院内に「がんセンター」という組織を構築して先進的ながん医療を推進するとともに、地域がん診療連携拠点病院として地域におけるがん医療の中心的な役割を担っている。明るく広々とした外来化学療法室。外来患者さんへの化学療法はすべてここで行われる。さまざまな専門職による“チーム医療”で患者さんとご家族をきめ細かくサポート抗がん剤は安全性の高い最新鋭のアイソレーターで調剤される。■外来化学療法件数の推移140001308313445120009820 10112100008524 8562 8828795480006000400020000 H18年度H19年度H20年度H21年度H22年度H23年度H24年度H25年度■全国有数の規模と実績を誇る外来化学療法室女子医大病院の第1病棟3階。ここにがん医療の先進性を象徴する一大施設がある。外来化学療法室がそれだ。広々とした明るいフロアにベッド6床、リクライニングチェア40床の計46床がゆとりを持って整然とレイアウトされている。とかく沈みがちになる患者さんも、落ち着いた気分で治療を受けているに違いない。ここで行われる化学療法件数は、昨年度約1万3,500件。施設の充実ぶりとその実績は、がん専門病院を別にすれば全国有数のものである。化学療法は従来、入院して治療を受けるのが一般的だった。しかし近年は、有効な抗がん剤治療の確立や吐き気などの副作用を予防する療法が格段に進歩したことから、患者さんは日常生活を送りながら外来で化学療法を受けることができるようになった。とはいえ、外来での化学療法は診療科ごとに行われていたのが実情である。そこで女子医大病院では、2008(平成20)年に外来化学療法室を設置し、外来でのすべての化学療法をここに集約14 Sincere|No.3-2015