ブックタイトルシンシア　2014.No.2

概要

シンシア　2014.No.2

10：00 11：00 12：00教育ビデオで学習医師から治療の説明を受ける昼食13：0013：3016：00教授回診を受ける運動療法の講義・指導を受ける薬物療法の講義を受講運動療法士による運動療法の講義とその実地指導プログラムも組まれている。女子医大病院では、糖尿病専門の内科医・眼科医のほか、糖尿病療養指導士の資格を有する看護師・管理栄養士・検査技師、さらに薬剤師などのスタッフが一丸となって入院患者さんをサポートする“チーム医療”を行っている。それが女子医大ならではの大きな特徴となっている。短期学習入院にはこのほか、月曜日入院～水曜日退院と木曜日入院～土曜日退院の3日間のコースも用意されている。この3日間コースは血糖測定をはじめ、1日目が集団栄養指導・糖尿病教室・服薬指導、2日目が朝食負荷試験・個人栄養指導、そして3日目が医師からの説明、という内容になっている。患者さんに知識を身につけていただくことが糖尿病治療の第一歩となります東京女子医科大学糖尿病センター長内潟安子女子医大の糖尿病センターは、1975（昭和50）年に糖尿病患者さんのトータルケアをめざして設立された世界でも類を見ない最大級の糖尿病専門の診療施設であり、短期学習入院もセンター開業当初から設けているシステムです。糖尿病の治療は、まず患者さんに最低限の知識を学んでいただくことからスタートします。患者さんご自身が主治医であり、食事療法や運動療法についての知識を身につけて血糖をコントロールしていただく。我々はそのお手伝いをするサポーターにすぎません。そうした知識を身につけるには、短期学習入院を活用していただくのが近道となります。本を読めばある程度の知識は得られるでしょうが、実際に専門の医師や看護師、管理栄養士、運動療法士、薬剤師などから直接指導を受ければ、理解の度合いも大きく深まってきます。短期学習入院は、あらかじめ１週間の入退院日が指定されますから、忙しいビジネスパーソンにとっては仕事の段取りもつけやすく、利用しやすいのではないでしょうか。もっと忙しい人には、３日間の入院コースもあります。入院されることによっていろいろな知識を学ぶことができると同時に、血糖コントロールが良くなり、体重を減らすこともできるなど、さまざまな効果が得られます。糖尿病の人もその予備群の人も、ぜひ体験してみてください。TOPIC“からだにやさしいお弁当”をご賞味あれ女子医大糖尿病センター監修の“からだにやさしいお弁当”が話題を呼んでいる。カロリーや塩分が控えめで、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスも良い。もちろん味は二重丸。彩りもおいしさをそそる。炊き込みご飯に煮物、和え物、鶏唐揚げなどの和風と、エビピラフにサーモンのハーブグリル、ピクルス、ミックスビーンズを添えた洋風の2種類があり、どちらも400キロカロリー。女子医大病院第1病棟1階にある「ナチュラルローソンン」にて冷凍状態で販売されている。ぜひいちど、ご賞味あれ！和風（左）と洋風（右）2種類のお弁当□入院して初めて知ることが少なくない「糖尿病は、その可能性があるといわれてもすぐに症状が出てくるわけではありませんから、軽く考えている人が多いのではないでしょうか。病院で診てもらうことなく無理をして、気がついたら取り返しのつかないところまで病状が進んでいたという話をよく耳にします。ですから、学習入院は必要だと思います。特に初期症状の人にはおすすめですね」とMさん。さらに言葉を続けて、「糖尿病については、入院して初めて分かることが少なくありません。例えば食事は、食べる量の1単位が80キロカロリーですが、それがご飯や肉・魚、野菜などの場合、どのくらいの量なのかということが分かります。ちなみに、ご飯は50グラム（小さめの茶碗1/2杯）が1単位です。そうして学んだことを日常生活で実践していくことが、合併症の予防と生活習慣の改善につながっていきます」という。厚生労働省の「2012国民健康・栄養調査結果」によると、我が国の糖尿病患者は、その疑いの強い人が約950万人、可能性を否定できない“糖尿病予備群”が1,100万人を数え、両者を合わせると2,050万人と推定されている。国民の約6人に1人が該当するわけだ。また、糖尿病が強く疑われる人の約3割が、ほとんど治療を受けていないという。糖尿病が強く疑われる人はもちろん、その可能性が否定できない糖尿病予備群の人も、いちど短期学習入院を体験してみてはいかがだろうか。Sincere｜No.2-2014 21