卒後臨床研修センターだより

さまざまな説明会やオリエンテーション、学会に参加する研修医たち。
貴重な体験報告や、臨場感あふれる行事の様子など月毎にお知らせします。

2019年2月号

自分自身の研修を振り返って、何ができたか、何を学んだか、将来どんな医師になりたいか

卒後臨床研修センター 第14期生 松永卓士

 2017年4月、私は「医師」となった。研修を振り返り、この2年間で何ができたかと、問われても具体的にすぐには思い浮かばない。それでも、上級医に学び、それらを自らの職務に生かすことで、この2年間をいくらか実りあるものにできたと思う。


 まず、研修医としての大切な心構えとしては、自らがあくまで「研修させてもらっている立場」であることを認識することであると感じた。それが、私の研修生活での大きな「学び」である。研修医ゆえに責任がないから仕事は適当で良い、上の先生に任せておけば良いと思うのは論外である。自らが専門領域を専攻し、一人前の医師として働くための礎を築くべき2年と捉え、何事にも勉強の姿勢を持ち、診療に当たるべきであると実感した。そのためには、日々の職務の中で、積極的で能動的な姿勢が大切であると感じた。そうでなければ、ただ9時から17時まで与えられた仕事を、「ただこなすだけ」となってしまう。そしてそこには「学び」は存在しないであろう。ある上級医からは、「研修医は、病棟から電話相談を受けたらすぐに患者に会いに行き、診療にあたる姿勢が大切だ。」と教えられた。そう教えられる前は、正直あまり積極的とは言い難く、「ただこなすだけの日」も幾分かはあった。しかし、この言葉がきっかけとなり、気持ちを入れ替えることで、その後の私の研修生活は一変した。この言葉を常に頭の中に思い浮かべることで自然と積極的に、能動的に診療にあたることができた。そうすることで自ずと、患者との関係性も深くなり、自身の診療に対する上級医からの評価も一層高くなった。そうなったことで、上級医に職務を任されることも増え、相乗効果で自身が経験する診療の幅も広がったのである。これがこの2年間での私自身の大きな「変化」である。


 このご時世、医療界全体でも働き方改革により効率良く仕事を行い、残業を減らす動きがある。研修医がすぐに家に帰らされてしまい、研修自体が決して良いものとは言えなくなってしまったこともあり、正直に言って積極的な研修医は少ないのが現状である。そんな中、私は2年目であり、後輩も多くいる。後輩に「医師としてのあるべき姿勢」を示し、良い方向へ導いていくことは先輩として、そして医療界に貢献していく一人の「医師」としてのあるべき姿であると感じた。私がなりたい医師像とは、「本来あるべき姿を見せるべく、行動で示し、後輩を良い方向へ導いていく医師」である。この理想が現実のものとなれば、必然的に医療界へ貢献していくことができるのではないかと思う。
残りの研修生活はわずかではあるが、失速せず、自身の糧となる実りある日々にしていきたいと思う。

このページの先頭へ戻る

卒後臨床研修センターだより