腎臓内科
診療内容
当腎臓内科は、1973年の創設以来、常に「患者さんとともに」をキーワードにあらゆる腎臓病の診療を積極的に行うとともに最先端の腎臓病研究を数多く行って参りました。特にIgA腎症・多発性嚢胞腎・ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ治療に関しては全国有数の治療実績を有しており、糖尿病関連腎臓病・血管炎症候群・アミロイドーシス・心腎連関などの他科連携を必要とする腎臓病の診療経験も豊富です。本学の理念である「至誠と愛」の精神に則り、患者さんの訴えに耳を傾け、様々な検査を通じて”体のバランス異常”をいち早く察知し、キメの細かい診療を実践しています。
地域医療機関との病診連携を大切にし、慢性腎臓病の早期段階から患者教育も含めた積極的な介入を行うことで重症化予防や合併症予防を心掛けています。また、透析施設との病診連携を通じて、新規透析導入および透析患者さんの合併症管理も数多く行っております。
対象疾患
慢性糸球体腎炎
急性糸球体腎炎
高血圧
腎不全(慢性腎不全・急性腎不全)
腎機能が十分ではなくなった末期腎不全に対して、腎機能を補助するため、血液透析・腹膜透析を行っています。
当科で行う治療の多くは、この腎不全に対する透析療法です。
腎移植を受けられる方には、周術期の透析療法および腎臓を攻撃する抗体を除去するための血漿交換療法を手術前に行っています。
また、急性腎障害に対しても血液透析を実施しています。
ネフローゼ症候群
膠原病
遺伝性腎疾患
多発性嚢胞腎
水・電解質異常
尿細管間質性腎炎
血管炎
アミロイドーシス
その他の全身疾患に伴う腎疾患
透析困難症や透析患者の合併症
診療実績
腎生検数

透析導入件数

ごあいさつ
東京女子医科大学 腎臓内科(内科学講座腎臓内科学分野)
教授・基幹分野長 星野 純一

腎臓は常に全身臓器とクロストークしながら生体のバランス維持に中心的な役割を担っています。今や国民病とも言われる慢性腎臓病(CKD)ですが、腎臓が悪くなると、心臓、骨、腸など全身の臓器が障害されることが知られています。
私たちは、腎臓病のみを診るのではなく、腎臓病を入口として、身体的・社会的・精神的背景が異なる患者さん一人一人の全身を診ることができる医師でありたいと考えています。外来での一期一会を大切にしながら、本学の理念である「至誠と愛」の精神に則り、誠実な医療および安全な医療の実践に努めています。そのため、患者さんのさまざまなニーズに応えるために、豊富な診療経験と人間性を備えた医療人を育てることを目標にしています。
全身を診るということは、患者さん1人1人の病態の違いを見極める力が求められます。病態の違いを見極めることで生まれるベッドサイドの「なぜ?」を臨床研究として発展させ、目の前の患者さんのみならず明日の医学に貢献することができる醍醐味を、多くの医療者に知ってほしいと願っています。
当腎臓内科は、1973年1月に初代主任教授である杉野信博先生が着任されて以降、二瓶宏名誉教授・新田孝作前教授の時代を通じて、常に「患者さんとともに」をキーワードとして良き臨床医を育てる体制を築きながら、最新の腎臓病治療に関する研究を数多く行って参りました。また、腎臓病総合医療センターとしてあらゆる腎臓病の診療を行ってきた豊富な実績があります。
医療はチームプレーであり、患者さんと医療者、医療者同士、施設同士において十分なコミュニケーションを取りながらワンチームで医療を実施していく必要があります。私たちはチームワークを重視し、透明性・公平性を持った、男女ともに働きやすい職場環境に積極的に取り組んでいます。当医局は学閥がないため雰囲気がよく、研修医教育も充実しており、国内外留学の機会にも恵まれています。当科と連携が深い臨床研修指定病院が多く、様々な生活環境に応じた研修先および就職先が充実していることも特徴の一つです。これらの優れた伝統を大切にしながら、次世代を担う優秀な腎臓内科医を数多く育てていきたいと考えております。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
部門HP
2024年7月1日現在
緑文字 =予約外 紫文字 =救急当番 茶文字 =予約外+救急当番
★:教授 ☆:臨床教授 ●:特任教授 ◎:准教授 △:臨床准教授 ◆:講師 ▲:特任講師◇:准講師
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | ||
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午前 予約外 ・緊急 |
初診 |
小林 静佳 ◆片岡 浩史 真壁 志帆 |
★星野 純一 川口 祐輝 |
当番医 |
◆眞部 俊 小林 静佳 中居 杏奈 |
★星野 純一 (第1,3,4,5週) 真壁 志帆 川口 祐輝 |
◆眞部 俊 (第1,2週) 秋久 太良 (第2週) 潮 雄介 (第1,4,5週) 井上 貴博 (第2,4週) 田井 怜敏 (第1週) 川副 健太郎 (第4週) |
再診 |
●土谷 健 ◆片岡 浩史 真壁 志帆 小林 静佳 |
★星野 純一 川口 祐輝 |
●土谷 健 ◎花房 規男 |
◆眞部 俊 ◆海上 耕平 小林 静佳 中居 杏奈 |
★星野 純一 真壁 志帆 川口 祐輝 |
◆眞部 俊 (第1,2週) 秋久 太良 (第2週) 潮 雄介 (第1,4,5週) 井上 貴博 (第2,4週) 田井 怜敏 (第1週) 川副 健太郎 (第4週) |
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午後 | 初診 |
◎花房 規男 ◆片岡 浩史 |
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再診 |
●土谷 健 潮 雄介 真壁 志帆 (第1,3週) |
★星野 純一 (15:00~特診外来) |
◎花房 規男 ◆片岡 浩史 ●土谷 健 (第1,3,5週) 腎代替療法 川口 祐輝 (第1,3,5週) |
◆眞部 俊 小林 静佳 潮 雄介 腎代替療法 ●土谷 健 (第2,4週) |
★星野 純一 真壁 志帆 川口 祐輝 |
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教授・基幹分野長
星野 純一ほしの じゅんいち
専門分野 腎臓病一般、慢性腎臓病、多発性嚢胞腎、糖尿病性腎症、IgA腎症、膠原病関連腎臓病、アミロイドーシス、透析管理、膠原病・リウマチ、臨床疫学
認定資格 日本内科学会 認定医・総合内科専門医
日本腎臓学会 評議員・指導医・専門医
日本透析学会 指導医・専門医
日本リウマチ学会 指導医・専門医
日本アミロイトーシス学会 幹事
日本脈管学会 専門医
日本腎臓リハビリテーション学会 幹事・評議員・認定指導士
日本臨床疫学会 上席専門家
アメリカ内科学会 上級会員 (FACP)略歴 1997年
横浜市立大学 医学部卒業
同年より虎の門病院内科 前期・後期病棟医2002年
虎の門病院 腎センター・リウマチ膠原病科 医員2010年~2012年
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) 留学2011年
UCLA公衆衛生大学院 卒業 (疫学修士)2012年
虎の門病院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 医長2017年
虎の門病院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 部長2022年
東京女子医科大学 内科学講座腎臓内科学分野 教授・基幹分野長ひと言 あらゆる腎疾患に対して包括的な診療を行っております。当科の診療は、豊富な症例経験に基づき、腎疾患の治療のみならず他科連携を行いながら腎臓病トータルケアを行っていることが特徴です。
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前教授
新田 孝作にった こうさく
専門分野 腎臓内科一般 慢性腎臓病 急性腎障害 腎炎 ネフローゼ症候群 難治性血管炎 透析療法 移植腎病理 糸球体腎炎 血管石灰化 慢性腎臓病
認定資格 総合内科専門医
内科認定医
日本腎臓学会 評議員・指導医・専門医
日本透析医学会 指導医・専門医・理事略歴 1981年
福島県立医科大学 医学部卒業1982年
東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター内科1989年
米国ケースウエスターンリザーブ大学 腎臓内科留学1991年
東京女子医科大学 第四内科 助手1999年
東京女子医科大学 第四内科 講師2004年
東京女子医科大学 第四内科 助教授2005年
東京女子医科大学 第四内科 主任・教授ひと言 質の高い安全な医療の提供と医療研修の場としての次代を担う医療人の育成を使命と思っております。チャレンジ精神とリサーチマインドを持つ医師が育ちやすい環境作りに勤しんでいます。
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講師
片岡 浩史かたおか ひろし
専門分野 腎臓病一般 腎炎 肥満腎症 多発性嚢胞腎
個別化医療
属性に基づく医療(ABM: attribute-based medicine)
交叉分類(cross-classification認定資格 医学博士
日本内科学会 指導医・総合内科専門医・認定内科医
日本腎臓学会 指導医・専門医
日本透析医学会 指導医・専門医
多発性嚢胞腎協会 PKD認定医略歴 1994年
京都大学 法学部卒業1997年
西日本旅客鉄道株式会社 (JR西日本) 退職2003年
鹿児島大学 医学部卒業2003年
東京女子医科大学 腎臓内科入局2006年
亀田総合病院 腎臓高血圧内科2010年
東京医科歯科大学 先進倫理医科学 (国内留学)2012年
東京女子医科大学 腎臓内科 助教2016年~2021年
同 多発性嚢胞腎病態研究部門 特任講師ひと言 医師として患者目線を、教育者として初学者的思考を、研究者として常識的発想を大切にしたいと思っています。皆様のお役にたてれば、幸いです。
「病」という異質なもの
日々、患者の皆様や医療スタッフと一緒にスクラム組んで慢性腎臓病と闘ってきました。そして患者の皆様から多くのことを教えて頂きました。
そんな中、私の腎臓病外来に10年にわたって通院された作家の佐藤優さんとの対談本を出版する機会を頂きました。慢性腎臓病から末期腎不全となり、血液透析、腎臓移植を経験された佐藤さんの闘病生活を通して、慢性腎臓病や透析・腎臓移植、日本の医療や現代の社会情勢など多彩なテーマで「病」とは何かを考えました。患者の気持ちや不安、医療者の想いや願いなど色んな思いが交錯しながら医療は進化していきます。
「日々の生活習慣に気をつけつつも、必要以上に病気を恐れない。」
「一人で闘わない、仲間を増やす。」
「病が持つ“イガイガ”を取り除く。」
病気と対峙している皆様の、少しでもお役に立てることを願っております。著書紹介
教養としての「病」/ 佐藤 優 / 片岡 浩史 | 集英社 ― SHUEISHA ―
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講師・医局長
眞部 俊まなべ しゅん
専門分野 腎臓病一般 腎炎 ネフローゼ症候群
腎病理
遺伝性腎疾患
多発性嚢胞腎認定資格 医学博士
日本内科学会 指導医・総合内科専門医・認定内科医
日本腎臓学会 評議員・指導医・専門医
日本透析医学会 指導医・専門医
日本腎病理協会 学術委員
多発性嚢胞腎協会 PKD認定医略歴 2007年
北海道大学 医学部卒業2007年
聖路加国際病院 内科系 前期レジデント2010年
東京女子医科大学 腎臓内科入局2010年
横浜労災病院 腎臓内科2014年
筑波大学 腎血管病理学 (国内留学)2017年
東京女子医科大学 腎臓内科 助教2018年
東京女子医科大学 腎臓内科2020年
東京労災病院 腎臓代謝内科 副部長2021年
東京女子医科大学 腎臓内科 派遣講師2021年
東京労災病院 腎臓代謝内科 部長2023年
東京女子医科大学 腎臓内科 医局長2024年
東京女子医科大学 腎臓内科 講師ひと言 腎疾患はしばしばきちんとした診断のないままに治療されています。患者さんのニーズに応じて、きちんとした診断を行い、最適な治療を提供することを目標としています。
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助教・外来医長
小林 静佳こばやし しずか
専門分野 腎臓病一般 慢性腎臓病
腎代替療法(透析・腎移植内科)認定資格 日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
日本腎臓学会 指導医・専門医
日本透析医学会 指導医・専門医略歴 2010年
東邦大学 医学部卒業2010年
東邦大学医療センター大森病院 初期臨床研修2012年
東邦大学医療センター大森病院 腎センター2018年
欅会 東久留米駅前クリニック・小平北口クリニック2018年
多摩北部医療センター 糖尿病代謝内分泌科 非常勤2021年
虎の門病院 腎センター 非常勤2022年
東京女子医科大学 腎臓内科 助教ひと言 患者さんに寄り添った医療を提供出来ますように、日々精進して参ります。
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助教
真壁 志帆まかべ しほ
専門分野 腎臓病一般 多発性嚢胞腎 慢性腎臓病 透析医療
認定資格 医学博士
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析医学会 透析専門医略歴 2010年
昭和大学 医学部卒業2010年
東京女子医科大学病院 初期臨床研修2012年
東京女子医科大学 腎臓内科入局2013年
済生会川口総合病院 腎臓内科2015年
竹田綜合病院 内科2017年
東京女子医科大学 腎臓内科 助教2019年
東和病院 腎臓内科2023年
東京女子医科大学 腎臓内科ひと言 患者さんやご家族にとって最善の選択ができるよう、丁寧な診療を行ってまいります。
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助教
川口 祐輝かわぐち ゆうき
専門分野 腎臓病一般
腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植内科)
腎病理 移植腎病理認定資格 日本内科学会 認定内科医
日本腎臓学会 専門医
日本透析医学会 専門医
日本臨床腎移植学会 腎移植専門医略歴 2011年
長崎大学 医学部卒業2013年
長崎大学病院 第二内科 腎臓内科2016年
東邦大学医学部 腎臓学講座(国内留学)2020年
東京女子医科大学 血液浄化療法科 助教ひと言 患者さんを中心とした質の高い医療を提供できるよう日々つとめてまいります。
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助教・病棟長
潮 雄介うしお ゆうすけ
専門分野 腎臓病一般 慢性腎臓病
多発性嚢胞腎
ネフローゼ症候群認定資格 医学博士
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
日本腎臓学会 専門医
多発性嚢胞腎協会 PKD認定医略歴 2016年
北里大学 医学部卒業2016年
亀田総合病院 初期臨床研修2018年
東京女子医科大学 腎臓内科入局2019年
横浜労災病院 腎臓内科2021年
東京女子医科大学 腎臓内科2023年
同 助教ひと言 その人らしさを大事にした患者様に寄り添った医療を提供します。
研修医教育を大事にしています。 -
助教
関 桃子せき ももこ
専門分野 腎臓病一般
腎性貧血
認定資格 医学博士
日本内科学会 内科専門医
略歴 2017年
東京女子医科大学 医学部卒業2017年
東京女子医科大学 卒後臨床研修センター2017年〜2021年
東京女子医科大学 大学院機能系生化学専攻2019年
東京女子医科大学 腎臓内科入局2024年
東京女子医科大学 助教ひと言 患者さんに寄り添う診療をしたいと思っています。
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講師・腎臓内科・泌尿器科兼務
海上 耕平うながみ こうへい
専門分野 腎移植 (移植免疫・移植後合併症・移植腎生検・移植内科医育成など)
臓器移植
腎代替療法
認定資格 日本内科学会 総合内科専門医
日本腎臓学会 指導医・専門医
日本透析医学会 指導医・専門医
日本臨床腎移植学会 認定医
日本移植学会 認定医
日本移植学会Transplant pysician委員会
(移植内科医育成委員会) 委員 腎移植内科研究会 幹事略歴 2007年
日本医科大学 医学部卒業2007年
東京女子医科大学 臨床研修センター2009年
東京女子医科大学 腎臓内科2010年
済世会栗橋病院 腎臓内科2012年
まつした腎クリニック2014年
東京女子医科大学 腎臓内科 助教2015年
ときわ会腎移植フォローセンター
余丁町クリニック 院長2019年
東京女子医科大学 移植管理科兼任2021年
東京女子医科大学 移植管理科 講師
(腎臓内科・泌尿器科兼任)ひと言 腎移植件数の増加や生着予後の長期化とともに腎移植患者さんの数は増加してきており、腎移植医療への内科医の参画が求められる時代になっております。
当院は日本でも有数の腎移植ハイボリュームセンターであり、内科医と泌尿器科医が連携して診療に取り組んでおります。われわれは腎移植を診ることが出来る腎臓内科医の育成を行っており、研修をご希望される方はunagami.kohei@twmu.ac.jpまでお気軽にご連絡ください。
短期での研修も受け付けております。