化学療法・緩和ケア科
診療内容
がん治療では外科治療、放射線治療とがん薬物療法(化学療法、分子標的療法や免疫チェックポイント阻害剤など)および緩和医療があります。
当診療科ではがん薬物療法と緩和医療をがんの患者さんに提供しています。
当院ではがん患者さんに対して各外科診療や放射線腫瘍科とともに集学的な治療の提供を行うとともに、医療スタッフとともに安心して療養できるべく情報提供を行っています。
また、がん患者さんのアドバンスド・ケア・プランニング(ACP将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスのこと)に専門職チームがかかわるように心がけています。
対象疾患
がん治療として薬物療法の対象となる患者さんに対して治療の提供を行います。
特に消化器がん(食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がん、肝臓がん)の患者さんが多く、乳がんや婦人科がんや希少がんについても診療を行っています。
PRRT(ペプチド受容体核医学内用療法)
当院では、神経内分泌腫瘍に対するPRRTであるルテチウムオキソドトレオチド(177LU-DOTATATE、ルタテラ®)を行っております。
これまで東京都内だけではなく全国からソマトスタチン受容体シンチグラフィ(オクトレオスキャン®)でソマトスタチン受容体陽性である切除不能又は遠隔転移を有する消化管、膵又は肺原発の神経内分泌腫瘍の患者さんに対して治療を行っており2023年度は14名の患者さんに治療を提供しました。
ソマトスタチン受容体シンチグラフィが未実施の場合は当院において検査をいたします。
治療を希望される場合には近藤教授外来予約をお取りください。
あるいは医療機関から問い合わせいただくことも可能です。
がん遺伝子パネル検査
がん遺伝子パネル検査を保険診療で受けるためには、「標準治療がないまたは局所進行または転移が認められ標準治療が終了となった固形がんの患者さん(終了が見込まれる方を含む)」である必要があります。
どの段階で標準治療が終了(もしくは終了見込み)なのか、患者さんの全身状態が検査を受けられる状態かなどを担当医が見極めた上で、がん遺伝子パネル検査を受けられるかどうか判断します。
本来であればもっと早い時期にこのようなゲノム情報を知ることで治療の組み立てがしやすくなるのですが、現時点では保険での検査には制限があります。
当院では保険診療および自費診療によるがん遺伝子パネル検査を、当院の遺伝子医療センターや東京女子医科大学東医療センターと連携して実施しています。
診療実績
大腸癌 | 乳癌 | 胃癌 | 膵癌 | 食道癌 | 肝細胞癌 | 胆道癌 | 舌癌 | 悪性黒色腫 | 小腸癌 | 原発不明癌 | 腎細胞癌 | |
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2022年度 | 420 | 176 | 110 | 149 | 70 | 49 | 25 | 27 | 11 | 0 | 0 | 0 |
2023年度 | 884 | 136 | 139 | 152 | 167 | 33 | 59 | 7 | 18 | 6 | 6 | 1 |
アカデミアとして先進医療の実践
当科では大学病院として最先端の医療の提供ができるように体制づくり準備しております。
がん分野における最先端治療である治験の誘致を行うとともにがん専門施設と相互補完することによりおかかりの患者さんに最先端の治療を提案できるように心がけています。
セカンドオピニオン
現在おかかりの病院で受けているがんの治療について悩みや疑問がある場合は当院のがんの専門家による相談(セカンドオピニオン)を受けることができます。
これまでの検査や診断、治療の経過に関する診療情報提供書(紹介状)と画像検査結果や病理レポート、がん遺伝子パネル検査を行っている場合は検査報告書をおかかりの主治医に準備をいただき受診時に持参してください。
部門HP
2024年12月1日現在
緑文字 =予約外 紫文字 =救急当番 茶文字 =予約外+救急当番
★:教授 ☆:臨床教授 ◎:准教授 △:臨床准教授 ◆:講師 ◇:准講師
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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午前 |
★近藤 俊輔 |
★近藤 俊輔 |
担当医 |
担当医 |
★近藤 俊輔 |
当番医 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
午後 |
|
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初診 |
★近藤 俊輔 |
★近藤 俊輔 |
担当医 |
担当医 |
★近藤 俊輔 |
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化学療法・緩和ケア科 教授
近藤 俊輔こんどう しゅんすけ
専門分野 臨床腫瘍学、内科学
認定資格 医学博士
日本内科学会認定内科医
総合内科専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
がん治療認定
日本医師会認定産業医
研究内容
- 早期臨床開発
- トランスレーショナル研究
- レギュラトリーサイエンス研究
よくあるご質問
人材育成・募集について
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当診療部門では腫瘍内科学を専攻し、様々な悪性腫瘍に対する診断、集学的治療や緩和医療を担っていく人材を育成したいと考えています。
当院での研修を開始し、連携するがん専門施設や研究施設での経験ができるようプログラムを作っています。 -
多彩なキャリアパスの実現。
腫瘍内科学を専攻することにより産官学の様々な分野でのキャリアパスにつながる可能性があります。
日本の人口減少社会や医師過剰時代においても最先端な専門職としてのキャリア形成ができるよう支援します。 -
後期研修医の皆様に対しては大学病院ならではの横断的な内科医としての研鑽を積みながら将来のがん治療に携わる人材の育成を行っております。
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専門医研修を開始される皆様に対しては早期から医療チームの中心となりリーダーシップを発揮していただくことができます。
また、研究テーマに沿い連携施設での研修が行えるように準備いたします。
研修により、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医と大学院での医学博士の取得ができます。 -
すでに研修が終了されている専門医の皆様には大学病院での人材育成に積極的に貢献するとともに研究が探求できるように環境を整えています。
特に臨床腫瘍学分野における女性医師の育成はとても重要なため、東京女子医科大学はでの人材育成はとてもやりがいがあると考えています。 -
問い合わせ先:
東京女子医科大学 化学療法・緩和ケア科
Mail: karyouka.bm@twmu.ac.jp
Tel: 03-8353-8111