血液浄化療法科
部門HP
診療内容
血液浄化療法科では透析室、各ユニット、病棟において、外来患者・入院患者に対する様々な血液浄化療法を専門に担当しています。
また、腹膜透析の外来診療も外来センターで行っています。
当科では、血液浄化療法の3つの柱である透析治療(血液透析・腹膜透析)、アフェレシス、急性血液浄化のそれぞれについて、高度な治療を行っており、血液浄化療法全般の教育・研究施設として、国内・外の見学、研修を受けいれています。
我が国の血液浄化療法の黎明期から血液浄化療法の発展に長年貢献してきました。
診療においても、主に治療を行う場所である透析室は透析ベッド48床と大学病院に付属する透析室としては大きい規模を誇っています。
対象疾患は幅広く、入院患者の診療科は院内ほとんどの科にまたがり、それぞれの診療科と密接な連携をとりながら診療にあたっています。
また、看護部、臨床工学部との連携のもと、患者さん中心の、多職種によるチーム医療、医療安全・感染対策にも配慮した医療の提供を行っています。
対象疾患
腎不全(慢性腎不全・急性腎不全)
腎機能が十分ではなくなった末期腎不全に対して、腎機能を補助するため、血液透析・腹膜透析を行っています。
当科で行う治療の多くは、この腎不全に対する透析療法です。
腎移植を受けられる方には、周術期の透析療法および腎臓を攻撃する抗体を除去するための血漿交換療法を手術前に行っています。
また、急性腎障害に対しても血液透析を実施しています。
急性肝不全(劇症肝炎など)
様々な原因で肝臓のもつ機能が急激に低下した場合、昏睡など様々な症状を認めます。
急性肝不全の昏睡に対して、高効率の血液透析濾過が行われます。
自己免疫性神経筋疾患(重症筋無力症、ギラン・バレー症候群など)
血液中に神経・筋肉に対する抗体ができることで、これらの働きが障害される疾患に対して、その抗体を除去するために血漿交換を行っています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
消化管に潰瘍・炎症を生じる炎症性腸疾患に対して、血球成分除去療法(顆粒球単球除去療法)を行っています。
皮膚潰瘍・末梢動脈疾患
足の動脈が細くなり血流が減少することで形成される皮膚潰瘍に対して、他の治療法で十分に効果を認めない場合には、吸着型潰瘍治療法を行っています。
天疱瘡・類天疱瘡
血液中に皮膚に対する抗体ができ、水疱が形成される疾患です。
その抗体除去のため血漿交換を行っています。
血液疾患(血栓性血小板減少性紫斑病)
細い動脈で血小板による血栓が形成されることで、血小板減少と臓器障害がもたらされます。
血漿交換が第一選択の治療法となります。
その他さまざまな血液浄化療法が適応となる疾患
わが国では上記の疾患を含め約40種類の疾患が血液浄化療法の適応疾患となっています。
これらの多くは、稀な疾患ですが、重症化する可能性があります。
重症化の予防および他の治療法をサポートする目的で、血液浄化療法が活用されています。
診療実績
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
血液透析(治療回数) | 19,063 | 16,730 | 14,543 |
腹膜透析(人) | 37 | 28 | 30 |
アフェレシス(治療回数) | 486 | 520 | 553 |
(以下アフェレシス内訳、治療回数) | |||
血漿交換 | 209 | 191 | 171 |
二重濾過血漿分離交換法 | 170 | 148 | 98 |
血漿吸着 | 61 | 30 | 46 |
血球成分除去療法 | 40 | 139 | 209 |
吸着式潰瘍治療法 | 0 | 11 | 27 |
エンドトキシン吸着療法 | 6 | 1 | 2 |