平成30年度 東京女子医科大学病院 病院指標

●「病院情報の公表」 について
 DPCデータ(※)から、厚生労働省が定める集計条件に基づいた指標を作成し、公表を行っています。
 
  ※DPC(診断群分類)とは、「Diagnosis Procedure Combination」の略であり、
   入院される患者さんの診断病名と治療方法の組合せによって決定される分類です。
   その分類に基づいた診療データ全般をDPCデータと呼びます。
 
 ・平成30年度(2018.4.1~2019.3.31)中に、当院を退院した患者さんを集計対象としています。
 ・医科(歯科以外)で保険診療された患者さんが対象で、労災、公害、自賠責、自費での診療データは含まれません。
 ・入院後24時間以内、または生後1週間以内に亡くなられた患者さんは集計対象外です。
 ・臓器移植を受けた患者さん、または提供者(ドナー)の方も集計対象外です。
 ・集計の結果、人数が10人未満となった項目は、数字の代わりに 「-」(ハイフン)を表示しています。
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,344 749 1,023 1,779 2,717 3,335 4,425 5,362 2,637 250
●「年齢階級別退院患者数」 について
 退院した患者さんの人数を年齢階級別(10歳刻み)で集計しています。年齢は入院日時点での満年齢です。
 
【解説】
 当院では幅広い年齢層の患者さんに入院医療を提供していますが、特に症状が重くなりやすい60歳以上の患者さんが過半数を占めています。また、10歳未満の患者さんが比較的多い理由として、NICU(新生児集中治療施設)、GCU(回復期病床)を有する新生児診療施設であることや、小児科関連診療科による横断的組織「小児総合医療センター」の開設により、幅広い視点での医療提供に取り組んでいること等が挙げられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
●「診断群分類別患者数等」 について
 診療科別に、診断群分類別患者数等を集計しています(人数の多い順に5つまで)。
 
 「DPCコード」 … 診断病名と治療方法の組合せによって決定される、14桁のコード(番号)です。
 「DPC名称」 … 「DPCコード」に対応する名称です。診断病名や、治療方法等で構成されています。
 「平均在院日数(自院)」 … 当院で入院していた日数(在院日数)の平均値です
                   (入院期間が4月1日~4月3日の場合、在院日数は3日となります)。
 「平均在院日数(全国)」 … 厚生労働省より公表された、全国のDPC対象病院の平均在院日数です。 
 「転院率」 … 他の医療機関へ転院した患者さんの割合です。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 56 18.02 16.17 0.00% 67.27
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 46 37.00 40.13 0.00% 57.07
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 37 38.78 32.36 0.00% 69.70
130030xx99x50x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 13 17.31 13.75 0.00% 74.77
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 11 22.73 17.10 0.00% 69.64
 血液内科に入院される患者で、最も患者数が多いのは悪性リンパ腫で、そのうち90%以上が非ホジキンリンパ腫です。非ホジキンリンパ腫はさらに40種類以上のタイプに細分化され、タイプおよび進行度により治療法が異なります。治療としては基本的には、抗がん化学療法、または放射線療法、あるいはその両者を実施します。抗がん化学療法は基本的に繰り返し治療を行います。入院期間は平均3週間程度で、治療法によっては入退院を繰り返しながら治療を実施します。多くの場合、初回治療のみ入院で実施し、副作用など問題がなければ、2回目以降は通院で実施します。最近は65歳以上の高齢患者や種々の合併症を有する患者が増えており、各科と連携し治療を行っています。また、再発・難治性の症例に対しては自家末梢血幹細胞移植も行っております。
 白血病は悪性リンパ腫とならぶ代表的な血液悪性腫瘍です。抗がん化学療法、として寛解導入療法、地固め療法からなる一連の治療を行っています。再発・難治性の症例に対して、救援療法に引き続き、同種造血幹細胞移植も行っております。
 移植は年間30例前後行っております。血縁者間同種移植はもちろん、非血縁者間臍帯血移植、非血縁者間同種移植、自家末梢血幹細胞移植も行っています。最近は血縁者からのHLA半合致移植が増加傾向にあります。同種移植は主に白血病に対して、自家末梢血幹細胞移植は、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫の患者さんに実施しております。
内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 247 5.61 6.35 0.00% 56.10
100260xx9910xx 下垂体機能亢進症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 117 4.70 6.34 0.00% 50.72
100180xx991xxx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 113 3.46 4.02 0.00% 54.12
100260xx9710xx 下垂体機能亢進症 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 62 15.94 19.57 0.00% 51.08
100250xx99101x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 34 4.44 9.21 0.00% 49.35
 高血圧・内分泌内科で最も多い症例は、特定の原因によって引き起こされる二次性高血圧のうち、副腎から過剰に分泌されるホルモンにより血圧が上昇する病気です。主に原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎性クッシング症候群などを診断・治療するために4泊5日程度の入院を要しています。検査に必要な平均在院日数は、全国平均よりも短いのが特徴です。
 2番目に多い症例は、全身のホルモンをコントロールする脳下垂体に起きる病気です。主に先端巨大症、クッシング病、プロラクチノーマ、非機能性下垂体腺腫の診断・治療を行っています。
糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100071xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 116 9.14 11.54 0.86% 63.46
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 96 8.97 11.05 1.04% 62.28
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 46 11.61 14.27 2.17% 62.98
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 43 10.93 13.90 0.00% 57.81
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 39 11.95 12.05 2.56% 64.64
 糖尿病・代謝内科で最も多い疾患は2型糖尿病であり、主に血糖コントロールや慢性合併症の精査、治療のために入院していただいています。血糖コントロールの目的で入院された場合には、管理栄養士による個別食事指導や、インストラクターによる運動指導を行うとともに、個々の患者さんに最適な薬物療法(経口血糖降下薬およびインスリンなどの注射薬)を選択します。合併症の精査では、網膜症、腎症、神経障害、大血管障害に加え、うつなどの神経精神科疾患、歯周病などの歯科・口腔外科疾患、脂肪肝や膵疾患などの消化器疾患、さらには産婦人科疾患などにも十分配慮して、患者さんの負担がないよう検査を行っています。
 当科では特に糖尿病性腎症の診断、治療に力を入れており、その結果、腎症による末期腎不全患者さんの入院も多くなっています。年間あたり60名前後の糖尿病性腎症患者さんが、入院のうえで透析療法を開始しています。透析療法は、血液透析と腹膜透析のいずれにも対応しています。
 さらに当科には、全国から多くの1型糖尿病患者さんが受診されており、血糖コントロールの目的や、さらには1型糖尿病の根治療法である膵臓移植の目的で入院される患者さんも増加しています。最近では、連続糖濃度測定装置(CGMS)を用いた24時間の血糖連続的測定や、連続皮下インスリン持続注入法(CSII)、さらにはパーソナルCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法の導入なども、入院の上で対応しています。膵臓移植は当院の腎臓外科で行っていますが、その適応判定や移植後の管理は当科が主体となって行っています。
糖尿病眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等 片眼 88 3.58 2.84 0.00% 70.39
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 重症度等 片眼 38 7.63 7.52 0.00% 59.92
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等 両眼 19 5.21 5.39 0.00% 68.11
100071xx97x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 85歳未満 19.21
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 重症度等 片眼 8.00
 糖尿病眼科は、糖尿病網膜症や白内障、血管新生緑内障などの糖尿病眼合併症を専門に治療する診療科で、外来・病棟ともに糖尿病・代謝内科と一体となって、特に全身管理を必要とする重症の糖尿病患者の眼合併症の治療に取り組んでいます。したがって、重症な糖尿病性増殖性網膜症に対する硝子体手術や、血管新生緑内障の手術が中心となっております。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 8.20 12.05 0.00% 58.60
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 A-DROP スコア1 13.46
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20.92
0400801499x011 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 重症度等 A-DROP スコア1 16.68
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 10.03
 総合診療科では、肺炎で入院される方が最もや多く、次に多いのが、腎盂腎炎で入院された方となります。平均しておよそ2週間で退院されています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度等 片眼 532 2.71 2.84 0.00% 73.91
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 109 6.17 7.05 0.00% 69.05
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 重症度等 片眼 74 5.53 9.75 0.00% 60.26
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 32 6.34 6.55 0.00% 67.97
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 重症度等 片眼 18 5.33 6.16 0.00% 73.72
 眼科で最も多い症例は、白内障のための入院で、過熟白内障などの重症な症例の手術も行っております。
 また黄斑疾患診療を得意としており、黄斑前膜や黄斑円孔といった代表的疾患に対する硝子体手術を受けられる患者さんの入院が多くなっております。
 また網膜剥離に対する網膜復位術や、外傷などの緊急手術を要する患者さんも広く受け入れており、迅速な対応を行っております。侵襲性の少ない手術加療を心掛けており、平均在院日数も全国平均より短い傾向にあるのが特徴です。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 93 7.70 7.04 0.00% 54.24
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 37 7.57 7.37 0.00% 50.73
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 37 11.46 8.29 0.00% 49.35
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 37 9.59 7.89 0.00% 33.51
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 35 7.97 5.43 2.86% 38.57
 耳鼻いんこう科で最も患者さんの数が多いのは、慢性鼻副鼻腔炎をはじめとする鼻疾患です。特に好酸球性副鼻腔炎という難治性の病態に対しては、呼吸器内科などと連携して、合併する喘息のコントロールも含めた治療に力を入れていますので、手術数も含めた症例数が多くなっています。
 2番目に多く扱っている疾患は、頭頸部(鼻・口腔・咽頭・大唾液腺)の腫瘍や唾石です。唾液腺の病気については、IgG4関連疾患、唾液腺症といったまれな病態に対しても豊富な治療経験があります。
 3番目に多いのは耳の疾患で、慢性化膿性中耳炎・真珠腫性中耳炎・中耳奇形に対する鼓室形成術のほか、重症顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術なども行っています。難治性の好酸球性中耳炎に対しては、好酸球性副鼻腔炎と同様、合併する喘息治療を強化することで、良好な聴力改善・耳漏停止効果が得られています。
 4番目に多い扁桃・アデノイド手術は、習慣性扁桃炎や扁桃・アデノイド肥大によるいびきや鼻閉、睡眠時無呼吸の治療のために行われるものです。当科ではIgA腎症をはじめとする病巣感染症の治療目的での扁桃摘出術を数多く手がけています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 84 8.56 8.98 0.00% 59.46
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 76 14.13 12.51 0.00% 61.00
080050xxxxxxxx 湿疹、皮膚炎群 32 14.06 10.30 0.00% 34.00
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 15 7.40 4.05 0.00% 61.07
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 15 11.07 8.16 0.00% 65.13
 帯状疱疹は健康な方でも発病しますが、高齢者、免疫抑制患者さんなどでしばしば見られ、重症化するケースもあります。このような患者さんでは、皮膚症状が軽快した後に、後遺症としての神経痛を残すこともあり、入院して十分な管理のもとに治療しています。
 膿皮症としては、下肢の蜂窩織炎がしばしば見られます。糖尿病を合併している患者さんも多く、適切かつ十分な抗生物質による治療が必要です。
 湿疹、皮膚炎群のなかで最も多いのは、成人のアトピー性皮膚炎の悪化例です。外用療法とともに、紫外線を用いた光線療法を行い、軽快したあとの外来での維持療法につなげています。
睡眠科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 287 2.00 2.04 0.00% 61.74
010300xxxxxxxx 睡眠障害 30 2.00 4.21 0.00% 47.70
010140xxxxx0xx 筋疾患(その他) 手術・処置等2 なし 11.78
010170xx99x00x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14.37
040130xx99x0xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2 なし 10.69
 睡眠科の入院は、睡眠障害の診断をつけるために必須である睡眠ポリグラフ(PSG)検査を受けるための1泊2日の入院です。臨床検査技師が当直し、安全に配慮し、検査精度の向上に努めています。診断および、治療目的の入院があります。
 
 【睡眠時無呼吸症候群】 いびき、無呼吸、昼間の眠気、不眠、夜間頻尿などを主訴とする疾患で、脳梗塞、心筋梗塞の原因となります。治療は、持続的陽圧呼吸療法(CPAP)や口腔内装置(OA)を睡眠中に装着することにより、閉塞した気道を確保できるようにします。
  ① CPAP加療のため、処方圧やマスク調整のためPSGを施行しながらCPAPを最適に使用できるようにします。
  ② OAを装着した状態でPSG検査を施行し、OAが有効であるかを検査します。
 
 【レム睡眠行動障害】 悪夢を見て、その夢と同じ行為をしてしまう疾患です。認知症やパーキンソン病の部分症状や前駆症状であることが知られています。診断のためビデオPSG検査が有益です。治療は生活指導と薬物療法で、その薬効評価のため検査入院します。
 
 【過眠症 ナルコレプシーなど】 昼間、覚醒しなければならない状況で、覚醒を維持することが困難な疾患です。夜間睡眠妨害因子がないかを診断するためのPSG検査、翌日は朝から夕方まで2時間おきに眠るよう指示して、眠りにつくまでの時間や、REM睡眠が出現するかを検査するMSLTを行い、診断します。
 
 【下肢静止不能症候群、不眠症など】 足がむずむずして眠れない、睡眠中、足の違和感のために中途覚醒してしまうなどの症状による睡眠障害(2次性不眠症)で、PSGにて診断します。治療は生活指導と薬物療法で、その薬効評価のため検査入院をします。また、睡眠誤認といって、本人は頑固な不眠を訴えますが、客観的に検査すると脳波上ではよく眠れている場合があります。それらの原因を検査するための入院となります。
 
 【その他の睡眠障害】 神経筋疾患や、肺疾患(COPDなど)に伴う慢性呼吸不全症例では、PSGにさらに二酸化炭素分圧検査を組み込み、睡眠中の呼吸状態を詳しく評価し診断しています。治療は、在宅人工呼吸器管理が必要になる場合があり、人工呼吸器を装着してPSG検査を施行し、呼吸状態、睡眠状態に最適な機械の設定を行います。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2 55 19.15 16.18 34.55% 71.56
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 46 16.52 16.16 2.17% 63.96
010155xxxxx20x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 26 17.77 16.35 7.69% 65.46
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 1あり 重症度等 発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 19.78 18.22 26.09% 73.17
010090xxxxx00x 多発性硬化症 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 17.83 14.49 4.35% 38.17
 断群分類別で最も患者数が多かった疾患は脳梗塞です。脳の血液循環が一時的に低下して神経症状を来たす「一過性脳虚血性発作」と機能障害および脳が構造的に一部元に戻らなくなってしまった状態である「脳梗塞」があります。緊急で入院することが多い疾患で、発症から治療までのスピードが求められます。当院でも脳卒中救急体制に参加し、血栓溶解療法を行い、脳神経外科と協力して、血管内治療などの血行再建治療を行う体制を整えています。内科的治療は点滴のほか、内服薬が主になりますが、より早期から効果が発揮される治療計画に基づき抗血小板薬(いわゆる血液の循環をスムーズにする薬)を開始します。脳卒中は再発も多いため、頭部MRI・MRA、頸動脈エコーなどのほか脳血流SPECT検査(核医学の技術で脳血流を測定する)、経食道超音波検査(胃カメラのような装置で心臓の裏側や大動脈を身体の中から観察する)、経頭蓋超音波ドップラー検査(頭蓋骨の間から頭蓋内の血流を観察する)および長時間心電図監視検査など大学病院ならではの検査で原因の究明、適切な治療方針の選択に心がけています。治験や臨床研究などにも積極的に参加しています。
 2番目に患者数が多かった疾患は免疫介在性・炎症性ニューロパチーです。これは、脊髄から手足に伸びる末梢神経に対して、本来外部からの攻撃を防御するはずの免疫システムが間違って働いてしまう自己免疫性疾患の一種で、末梢神経が障害される状態(ニューロパチー)になる疾患です。副腎皮質ステロイドや免疫グロブリン大量(IVIg)療法といった治療を行いますが、繰り返し入院治療を要する場合があります。
 3番目の運動ニューロン疾患とは、原因は不明ですが運動神経系が選択的に障害されてしまう、いわゆる筋萎縮性硬化症=ALSと呼ばれる疾患です。診断には、専門的な針筋電図の知識が必要であり、期待される大学病院の役割を果たしてきています。十分な治療効果のある薬剤が待たれるところですが、現在可能な活性酸素の働きを抑え、神経細胞の保護に働くエダラボンの点滴治療などを行っています。
 5番目の多発性硬化症は、大脳から脊髄の神経に対して、本来外部からの攻撃から防御するはずの免疫システムが間違って働いてしまう自己免疫性疾患の一種です。経過は様々ですが、副腎皮質ステロイドやその他の免疫反応を調節する薬で治療を行います。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 150 19.13 21.16 7.33% 51.73
010070xx01x20x 脳血管障害 脳血管内手術等 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 77 18.94 19.29 5.19% 38.94
010010xx9906xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 6あり 77 3.57 4.00 0.00% 59.30
010030xx01x00x 未破裂脳動脈瘤 脳動脈瘤頸部クリッピング等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 70 15.19 15.41 2.86% 61.76
010280xxxxx0xx ジストニー、筋無力症 手術・処置等2 なし 69 7.29 11.94 0.00% 43.62
 神経膠腫(グリオーマ)治療の特徴は、情報誘導手術による最大限の脳腫瘍摘出と最小限の術後神経症状の両立、標準的な放射線化学療法に加え、新規治療開発も行っていることです。近年、神経膠腫に関して、より高い摘出率をめざす方針が標準的になってきています。手術後は、詳細な腫瘍の種類の診断(病理診断)に加え、腫瘍に生じている様々な遺伝子異常を解析し(遺伝子診断)、それらの結果を総合的に診断して、国内や海外の専門家の間で認められている標準的な放射線・化学療法を施行します。さらに、標準的な治療方法で治療結果(治療開始日から再発までの期間:無増悪再発期間や生存可能な期間:生存期間)が不十分と思われる悪性神経膠腫の場合は、臨床研究や治験などの新規治療法が選択できる体制をとり、幅広いオプションを持つことができます。良性腫瘍に分類される聴神経腫瘍や髄膜腫などの良性腫瘍治療も数多くの手術を行っており、術中モニタリングやナビゲーションシステムを駆使し、安全で最大限の摘出を目指しています。小児脳腫瘍(術後放射線療法、化学療法)も治療体制が確立されております。
 動脈瘤とは、脳動脈の血管壁が風船のように瘤状に膨らむ状態です。脳動脈瘤の多くは、未破裂の状態で発見され無症状です。破裂率は部位や大きさによって異なります。治療を検討するのは、①5mm以上の動脈瘤、②5mm未満で、A)症状のある例、B)破裂しやすい部位、C)不整形、などの特徴を有する場合です。年間約150~200例で、未破裂脳動脈瘤や巨大脳動脈瘤が約80%を占めております。治療法としては、開頭手術と血管内手術が両方選択可能で、動脈瘤の部位や形状、患者さん御本人や御家族の希望に沿って治療方針を決定しています。手術室でのカテーテル治療が可能なハイブリット手術室を備えており、より安全性の高い治療の選択が可能です。
 脳梗塞の原因となる内頚動脈狭窄の血栓内膜剥離術やステント留置術、もやもや病に対する血行再建術や、脳動靜脈奇形の血管内塞栓術および摘出術を行っております。
 局所ジストニアには、字を書くときに手がこわばる書痙、楽器を演奏するときに指や手首が曲がったり、伸びたり、こわばったりする音楽家ジストニアなどがあります。このような手に発症するジストニアは、繰り返し同じ動作を長期間行いつづけることで発症します。そのため、繊細で繰り返し反復訓練を要するような音楽家などの動作によく発症します。音楽家(あらゆる楽器で発症します)以外には、美容師、大工、漫画家、歯医者、時計修理士など多種多彩です。これらのジストニアは、一般的にボツリヌス毒素や内服治療が行われますが、効果は限定的で、改善は困難とされています。当科では、約15年前より視床に凝固巣を作成することで症状が劇的に改善することを明らかにしました。手に発症する局所ジストニア(職業性ジストニア)の治療では、現在海外を含めてこの治療を行いうる施設は当科のみで、この分野では世界のリーダー的存在です。当施設では、手術による熱凝固や電気刺激、低侵襲なガンマナイフや集束超音波(現在準備中)など、あらゆる方法により、視床に凝固巣を作成することができます。患者様の背景などに応じて、最適な治療方法を提供できます。
乳腺・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 なし 127 10.35 10.59 0.00% 59.22
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 94 5.46 6.23 0.00% 56.41
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1 なし 89 8.70 8.68 0.00% 49.56
100220xx01xxxx 原発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺腫瘍 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 副甲状腺(上皮小体)摘出術等 44 7.41 8.56 0.00% 57.84
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術・処置等2 なし 26 7.19 7.49 0.00% 45.69
 乳腺・内分泌外科では、乳癌の手術症例と内分泌領域(甲状線、副甲状腺、副腎)の手術症例が、ほぼ半数ずつとなっています。
 すべての分野において、安全で安心な医療を提供することを第一の目標として、治療に取り組んでいます。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 8.24 7.35 14.29% 58.14
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2 なし 20 4.25 3.27 10.00% 50.05
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 2.37 3.56 10.53% 37.95
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 6.73 9.69 6.67% 57.87
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 2.80 7.28 13.33% 60.60
 当科で最も多い症例は、手術を要しない保存的加療のための外傷症例であり、平均在院日数は、4日から1週間くらいとなっています。
化学療法・緩和ケア科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 12 4.17 4.28 0.00% 58.67
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 定義副傷病 なし 12 5.58 4.41 0.00% 64.33
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 12.91 7.55 9.09% 59.27
060035xx97x50x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 10.23
060035xx97x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 6あり 定義副傷病 なし 12.81
 化学療法・緩和ケア科では、がん患者さんに対する化学療法と緩和医療を担当しています。臓器別にとらわれず、消化器がん、肺がん、乳がんなどの比較的多くみられる疾患から、肉腫、原発不明がん、多臓器重複がんなどの比較的稀な疾患など、様々な悪性腫瘍に対する治療を行っています。また、心疾患や透析中など、様々な合併症を有する患者様の治療も行っております。
 当科で担当する最も多い疾患は大腸がんと乳癌の症例であり、術前化学療法、術後補助化学療法、切除不能・再発症例に対する化学療法を行っています。また、治療に伴う有害事象(副作用)への対応や、疼痛をはじめとする腫瘍に伴う症状への緩和治療を、積極的な抗がん治療と同時に行っています。
 多くの化学療法の初回導入の際は入院の上治療を行い、有害事象を確認しながら治療を進めていきます。治療に伴う患者さんのあらゆる不安を最小限に出来るよう配慮して治療を行います。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 34 3.00 3.14 0.00% 4.38
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 27 3.00 2.82 0.00% 4.52
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 16 3.00 8.26 0.00% 3.75
11022xxx04xxxx 男性生殖器疾患 包茎手術 3.82
060200xx01xxxx 腸重積 腸重積症整復術 非観血的なもの 3.14
 【停留精巣】 精巣は胎⽣期にお腹に発⽣し、出⽣までに徐々に陰嚢まで下降してくる臓器です。その⽣理的な下降が途中で⽌まってしまった状態を停留精巣と呼びます。停留精巣を放置すると、精巣は正常な働きができず不妊の原因や、癌化することも報告されています。治療法は精巣を本来の陰嚢内に固定することです。症例に応じて適切な⽅法、 適切な治療時期がありますので、いつでも気軽にご相談いただければと思います。
 【鼠径ヘルニア】 鼠径ヘルニアはお腹の中に納まっている臓器が、鼠径部(足のつけ根)に脱出してしまう病気です。鼠径ヘルニアは放置しておくと「嵌頓(かんとん)」といって、脱出臓器がもとに戻らない状態になることがあり、これは臓器の血流障害をきたし、腸管や卵巣が壊死してしまう危険な状態です。嵌頓させないためにも、鼠径ヘルニアは診断がついたら、早めに手術を計画するのが一般的です。
 【包茎】 包茎は陰茎の包⽪が⻲頭に被さっている状態をいいます。⼩児においては病的ではないことが多いですが、感染や排尿障害の原因になることもありますので、気軽にいつでもご相談ください。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
070470xx02x0xx 関節リウマチ 筋肉内異物摘出術等 手術・処置等2 なし 110 13.55 19.68 1.82% 62.27
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 105 19.40 24.26 37.14% 73.11
070470xx01x0xx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 手術・処置等2 なし 83 21.22 24.22 3.61% 64.78
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 69 24.14 22.27 26.09% 66.03
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 62 11.58 14.27 8.06% 32.79
 関節リウマチや変形性関節症は、ともに関節が変形して痛みを伴い、歩くなどの日常生活に大きな支障をきたす疾患です。当科では、ともに日本有数の症例を治療してきた実績があり、多くの患者さんが来院されます。治療法は画一的ではなく、それぞれの患者さんの病状や変形の程度、生活スタイルを考えて、最適と思われる治療法を提供しています。関節を温存して治す方法と、人工関節に置換する方法があります。また、スポーツなどを原因とした靱帯や腱の損傷に対しても、関節鏡という内視鏡を駆使した方法で治療し、良好な成績をおさめています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 56 3.89 5.37 0.00% 33.59
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 38 7.95 6.52 0.00% 51.61
070590xx97x0xx 血管腫、リンパ管腫 手術あり 手術・処置等2 なし 32 6.19 7.17 0.00% 39.59
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 21 7.48 8.23 0.00% 55.33
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 21 2.38 3.15 0.00% 75.81
 形成外科は体表外科であり、体表の腫瘍・外傷・先天異常疾患などに対する外科です。また、組織欠損に対して機能的・整容的な再建手術も行っています。
 当院形成外科で最も多い症例は、顔面損傷で、顔面骨骨折(主に頬骨骨折、鼻骨骨折など)に対する手術治療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 366 5.39 5.15 0.27% 62.17
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 326 3.71 4.47 0.00% 68.67
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 270 3.06 3.01 0.00% 67.47
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 147 14.35 17.66 2.72% 79.38
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 133 3.20 5.50 0.00% 70.69
 循環器内科で最も多かったのは、頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術目的の入院で、年間350例以上の症例に対して行い、高い成功率をおさめています。
 また狭心症・慢性虚血性心疾患の症例では、最も多かったのは経皮的冠動脈形成術目的の入院で、平均して3日ほどで退院されております。
 治療ではなく心臓カテーテルの検査入院の場合は、平均して2~3日ほどで退院されております。
 心臓以外の治療にも力を入れており、主に下肢の閉塞性動脈疾患に対する動脈塞栓除去術などの、末梢動脈疾患カテーテル治療目的の入院も年々増加し、やはり平均して3日ほどで退院されております。
 高齢化とともに、心不全治療目的の入院も増加傾向となっています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 1,2あり 手術・処置等2 1あり 70 22.86 26.73 1.43% 67.07
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 70 14.73 12.01 5.71% 73.44
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 60 23.67 24.00 5.00% 64.50
050080xx9700xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 42 19.14 16.72 16.67% 82.88
050163xx99000x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 36 8.42 8.47 5.56% 71.25
 心臓血管外科で最も多かった症例は、狭心症・慢性虚血性心疾患に対する心室瘤切除術で、平均在院日数は約23日です。
 2番目に多いのは、非破裂性大動脈瘤に対するステントグラフト内装術で、平均在院日数は約15日です。
 3番目に多いのは、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、連合弁膜症、等に対する開心術のための入院です。主な手術は、人工弁置換術・弁形成術であり、同時に中心静脈注射、人工呼吸を行っています。術後3日間程集中治療室に滞在した後、一般病棟に移動し、リハビリテーション、抗凝固療法、術後心機能、弁機能、等の確認検査を施行します。高齢者が過半数を占めており、平均在院日数は約24日となっています。
循環器小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 126 5.25 4.24 0.00% 28.98
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 62 7.13 5.15 0.00% 28.74
050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 36 5.00 7.54 0.00% 38.47
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 14.83 17.66 2.86% 44.17
14029xxx97x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 29 5.07 6.45 0.00% 32.62
 先天性心疾患は、出生児の1%に発症する比較的頻度の高い先天的疾患ですが、中でも、ファロー四徴症、完全大血管転位など、新生児期や乳児期に内科的治療や外科的治療が生存に必須になる疾患が多いです。動脈管開存や心房中隔欠損では内科的加療が行われることもあります。複合的な心臓形態異常の診断を行い、適切な内科的治療によって、血行動態の修正や心不全の改善を施行するのが、循環器小児科の主要な業務となっています。診断にはエコー、CT、MRIなどを用い、心臓カテーテル法によって、血管の狭窄部位の拡大や閉鎖部位の穿通、余剰血管の閉塞などを行います。
 先天性心疾患では高頻度に不整脈を合併いたします。内服薬が無効の難治性不整脈が少なくなく、また心室頻拍などの致死的不整脈も多いため、突然死する小児患者も存在します。このような状況の中、カテーテル心筋焼灼術(アブレーション)が非常に効果的にこれらの不整脈を治癒させることができ、しばしば行われている現状です。不整脈を誘発して、原因部位を特定してから焼灼を行うため、施術中の血行動態の変動や急変もありえます。したがって、麻酔、蘇生担当から、焼灼の機器の操作をサポートするMEまで多くのスタッフによる集学的治療となります。
 不整脈に対する治療としては、さまざまな抗不整脈薬の使用や電気的除細動が行われます。長期にわたる薬物治療が必要なもとも多いのが現状です。治療中に血行動態の急変が起こりやすく、致命的な副作用もあるため、初期治療にあたっては入院を要することが多いです。心筋焼灼が有効であった患者でも、その後の不整脈再発を予防するために最終的には薬物治療が必要になることがあります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 84 5.49 3.43 0.00% 70.05
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 59 13.24 10.00 0.00% 67.76
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 48 19.77 19.06 6.25% 72.60
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 5あり 24 17.96 19.34 0.00% 68.67
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 14.07 13.63 0.00% 76.07
 呼吸器内科で最も多い症例は、肺の悪性腫瘍を疑われた患者さんが、気管⽀鏡検査で診断をつけるための⼊院です。肺の⼀部(組織)を採取し、診断(病理学的診断)を⾏います。治療⽅針を決めるため、必ず必要な検査です。検査後に、気胸や肺炎などの合併症が起きますと、⼊院⽇数が延びることがあります。
 2番⽬と4番⽬に多い症例は、肺の悪性腫瘍で抗がん剤治療(化学療法)のための⼊院です(使う薬の内容が違います)。初めての薬を使う場合は必ず⼊院で治療を⾏い、副作⽤の予防と、副作⽤が出現した場合はその処置を⾏います。約2~3週程度で副作⽤は回復し退院となります。
 3番⽬に多い症例は、間質性肺炎です。原因は不明で、肺が硬く(線維化)なってくる疾患です、診断は画像や気管⽀鏡検査や⾎液検査等で⾏い、治療はステロイドなどの免疫抑制剤、または抗線維化薬を⽤います。感染症を合併し、治療が必要となることもあります。⼊院は3週間程度必要となります。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 143 13.02 11.87 2.10% 68.38
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 53 8.47 10.00 0.00% 70.34
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 8あり 35 7.06 10.62 0.00% 73.23
040040xx99070x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし 27 7.44 10.92 0.00% 71.04
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 26 10.58 14.58 15.38% 71.54
 呼吸器外科では、肺悪性腫瘍に対する⼿術を目的として入院される患者さんが、最も多くなっています。内訳としては、原発性肺癌が最も多く、ついで、転移性肺腫瘍(大腸や腎臓など他の臓器の癌から肺への転移)となっています。肺癌の化学療法については、従来の抗癌剤治療に加え、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬など、個人の癌の特性(組織型や遺伝子変異など)を考慮した個別化治療を行っております。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 102 10.57 9.70 0.00% 36.03
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 68 8.75 9.63 0.00% 37.12
120140xxxxxxxx 流産 47 2.00 2.45 0.00% 36.38
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 23 17.96 19.69 4.35% 32.78
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 22 30.45 30.12 0.00% 34.05
 産科では、分娩を⽬的とする⼊院が最も多く(年間600・700例程度)、そのため分娩時に微弱陣痛や児頭⾻盤不均衡、回旋異常などが原因で生じる遷延分娩・分娩停⽌といった分娩の異常への対応が多くなります。また、当科では無痛分娩を取り扱っているため、その頻度は増す傾向にあります。
 その他、当院産科は東京都の中核周産期医療施設として総合周産期センターに指定されているため、地域の産科病院、クリニックから切迫早産、早産、胎児発育不全や胎児奇形、染⾊体異常の症例が当院へ紹介され、胎児異常を診療する機会が多くあります。胎児からのサインを⾒逃さないよう管理するため、⼊院での管理としています。
小児科(新生児)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 113 5.31 6.17 0.88% 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 22 6.59 11.32 0.00% 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり 21 11.38 11.34 0.00% 0.00
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 1あり 18 23.78 22.18 0.00% 0.00
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 2あり 14 39.71 27.46 0.00% 0.00
 新生児集中治療室(Neonatal intensive care unit; NICU)に入院される新生児の中で最も多い症例は、妊娠37週よりも早く産まれた早産児です。早産児の場合、肺を始めとした内臓の発育が未熟であるためNICUでの入院加療が必要となります。症状としては、呼吸が不安定であったり、消化吸収が不十分であったりします。これらの症状が安定するまでは入院加療が必要になります。出生体重2,500g未満の新生児を低出生体重児と呼びますが、早産児で低出生体重児の場合には、さらに入院期間が長くなります。体重が小さいと体温調節することも難しいからです。当科でNICUに入院する新生児の特徴は、合併症を持った母親から出生する新生児の頻度が高いことです。母親の合併症が、新生児に影響することがあるため、在院期間が全国の他のNICUと比較してさらに長くなる傾向があります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 74 5.19 7.28 0.00% 6.49
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 55 7.07 6.62 0.00% 4.13
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 52 1.06 2.14 0.00% 4.42
100380xxxxxxxx 体液量減少症 44 6.14 9.12 2.27% 4.05
010140xxxxx0xx 筋疾患(その他) 手術・処置等2 なし 42 2.86 11.78 2.38% 8.10
 ⼩児科で最も多い症例は、「てんかんを含めたけいれん性疾患」で、主に原因の精査と⻑時間脳波検査を含めた発作状態の評価や、多くの薬を使⽤しても、発作がコントロールできない患者さんに対して、ホルモン療法やケトン⾷治療などの特殊治療を⾏っています。
 2番⽬に「ぜん息」の⼊院が多く、特に2~3歳の低年齢のお⼦さんの⼊院が増えています。初めての発作は少し重症になる傾向がありますので、⼗分な治療が必要になりますが、⼤切なのは、発作を起こしていない普段の治療で、外来での丁寧な説明を⼼がけています。
 3番⽬に多いのは、「食物アレルギー」の負荷試験目的の入院です。主に制限をかけられている食品に対する制限解除を目的に、経口食物負荷試験を行っております。外来で行う施設も多いですが、当院では安全面から入院管理とさせて頂き、日帰り入院という形をとっております。担当医師の徹底した監視下の元で、症状が出た場合にも迅速に対応しております。
 4番目に多い「体液減少症」とは、体に必要な水分が足りていない状態で、いわゆる「脱水症」のことです。脱水症は放置すると心臓や腎臓にも影響を与え重症化することがありますので、口から十分な水分がとれなければ、点滴をはじめとする「体液管理」という治療を行いつつ、原因となる病気の原因検索・治療を行っております。
 5番⽬に多い症例は、筋⾁の病気」で、これは当科ならではの専⾨性によるものです。原因不明の⾚ちゃんの運動発達の遅れや、偶然⾒つかった⾼クレアチンキナーゼ⾎症、お⼦さんの転びやすさや瞼が下がるなどの原因を調べます。筋ジストロフィーや筋無⼒症などに経験が豊富ですので、新しい治療の導⼊、合併症対策含めた⽇常の管理指導を⾏っています。ご家族の心理サポートにも力を入れています。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 163 5.98 6.16 0.00% 44.98
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 62 3.02 3.20 0.00% 44.55
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 47 6.15 6.28 0.00% 46.38
120100xx01xx0x 子宮内膜症 子宮全摘術等 定義副傷病 なし 32 7.38 7.54 0.00% 40.44
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 30 3.57 4.85 0.00% 57.70
 婦人科では、腹腔鏡下手術を安全に施術するために、エビデンスに基づいた厳格な基準によりその適応を決定しています。腹腔鏡下手術を希望される場合は、外来担当医もしくは腹腔鏡外来にてご相談ください。また、ダヴィンチによるロボット手術も積極的に行っており、多くの実績を上げています。また子宮筋腫や子宮内膜症などに関しては、薬物療法や子宮動脈塞栓術などの代替治療も選択できますのでご相談ください。術前の血液検査や画像診断で悪性腫瘍が疑われる場合や、過去に受けた手術により腹腔内癒着が激しいと判断された場合は、開腹術をお勧めすることもあります。卵巣癌、子宮癌等の悪性腫瘍に対しても、手術療法だけではなく、化学療法や放射線療法を取り入れた集学的治療を行っています。特に、ごく初期の子宮頸癌の場合は、子宮頸部円錐切除術により、子宮本体を残した妊孕能温存療法を積極的に行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 167 3.81 2.67 0.00% 65.23
060100xx01xx1x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 あり 73 7.96 3.94 0.00% 68.81
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 62 11.95 10.08 1.61% 69.44
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 52 11.87 12.15 0.00% 56.98
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 47 8.74 8.52 0.00% 72.70
 多数例の大腸のポリープに対して安全かつ短期入院で、内視鏡的ポリープ・粘膜切除術をおこなっています。また、胆のう炎、総胆管結石に対しても、安全に治療をおこなっています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 121 2.58 2.67 0.00% 65.16
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 91 7.42 10.42 1.10% 73.42
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 77 15.12 15.30 1.30% 68.40
060050xx02x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 67 15.12 13.92 0.00% 70.18
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 67 6.88 4.96 0.00% 68.07
 大腸・肝胆膵悪性腫瘍の手術件数が多く、在院日数が少ないことが特徴です。
リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 78 13.32 15.58 2.56% 54.46
070560xx99x01x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 19 22.74 27.21 0.00% 55.21
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし 17 17.53 15.90 5.88% 71.41
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 14 12.14 19.06 0.00% 68.93
0400801299x000 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 重症度等 A-DROP スコア0 10 12.70 8.67 0.00% 54.60
 リウマチ科(膠原病リウマチ内科)で最も多い症例は、全⾝性エリテマトーデス、全⾝性強⽪症、⽪膚筋炎、多発性筋炎、顕微鏡的多発⾎管炎、ウェジナー⾁芽腫(多発血管炎性肉芽腫症)、シェーグレン症候群などの重篤な臓器病変を伴う自己免疫性疾患の診断や治療(定義副傷病なし)のための⼊院で、主に薬物治療を⾏っており、平均して13⽇ほどで退院されております。
 2番⽬に多い症例は、 重篤な臓器病変を伴う自己免疫性疾患の診断や治療(定義副傷病あり)のための⼊院で、主に薬物治療を⾏っており、平均して23⽇ほどで退院されております。
 3番⽬に多い症例は、「関節リウマチ ⼿術なし ⼿術・処置等2 なし」であり、主に関節リウマチの治療のための⼊院で、主に薬物治療を⾏っており、平均して18⽇ほどで退院されております。
 4番⽬に多い症例は、「間質性肺炎 ⼿術・処置等2 なし」であり、関節リウマチや各種膠原病に合併した間質性肺炎の治療のための⼊院で、主に薬物治療を⾏っており、平均して12⽇ほどで退院されております。
 5番⽬に多い症例は、「肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) 重症度等A-DROPスコア0」であり、関節リウマチや各種膠原病に合併した市中肺炎の治療のための⼊院で、主に薬物治療を⾏っており、平均して13⽇ほどで退院されております。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 236 8.39 12.05 1.27% 55.77
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 71 7.66 7.18 0.00% 43.89
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 47 15.15 14.21 4.26% 59.34
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 32 16.41 17.66 3.13% 73.53
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 20 23.05 21.40 0.00% 53.35
 近年、末期腎不全による透析患者が増加傾向で、医療経済上も大きな問題となっています。そして末期腎不全の予備軍である慢性腎臓病は日本でも1,330万人にのぼるといわれています。慢性腎臓病の末期腎不全への進展抑制のために、薬剤治療の他、生活習慣の改善、食事制限が非常に重要とされています。当科でも慢性腎臓病患者に対する教育入院を積極的に行っており、入院患者の多くを占めています。現在は7~10日間の入院期間を予定しています。
 次いで、慢性糸球体腎炎の疑いで腎生検を目的とした入院が多くあります。検査前日入院で、合併症予防のため腎生検後4~7日の入院が日本腎臓学会の腎生検ガイドブックに記載されており、当院ではH28年9月まで入院期間8日間の入院を採用していましたが、H28年10月より生検後の合併症がなければ6日間の入院期間へ短縮しています。退院後の外来で、腎生検の結果を説明し治療を相談していきます。
 次に慢性腎臓病患者や維持透析患者の肺炎、不明熱、多発性のう胞腎患者ののう胞感染などの入院が多く、特に慢性腎炎によるステロイドの使用などで免疫力の下がっている方や、長期透析による合併症で全身状態不良な方、繰り返すのう胞感染の方も多く、在院日数が15.15日と長くなっております。
 慢性腎臓病や維持透析患者のうっ血性心不全の入院も多く、食事療法、降圧剤や利尿剤の調整や血液透析による除水、適正な体重への調整を行います。とくに高齢者患者で季節や食事の影響、感染症により容易に心不全を繰り返す患者さんもいらっしゃり、平均在院日数が16.41日と長くなっております。
 ネフローゼ症候群は、多量の蛋白尿とともに全身浮腫、血管内脱水、血栓形成傾向を認め、利尿剤や抗凝固剤による全身管理、腎生検による診断の上、ステロイドや免疫抑制剤による原疾患の治療を要するため、平均在院日数が23.05日と長くなっております。
腎臓外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 35 9.40 12.58 0.00% 59.83
180040xx97x1xx 手術・処置等の合併症 手術あり 手術・処置等2 1あり 30 12.43 31.88 6.67% 61.00
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 24 5.17 8.75 0.00% 64.75
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 7.91 12.05 4.55% 59.05
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 1あり 17 18.29 35.72 11.76% 60.06
 腎臓外科で最も多いのは(腎移植関連の症例を除くと)尿路感染症による入院です。平均して9日間で退院されています。
腎臓小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 17 8.59 21.40 0.00% 13.65
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 6.00 12.05 0.00% 12.00
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 13 10.00 7.18 0.00% 13.08
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 11 9.64 8.77 0.00% 8.91
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病 なし 7.13
 腎臓小児科では、ネフローゼ症候群や慢性糸球体腎炎、慢性腎不全の患者さんが多く入院しています。ネフローゼ症候群では、難治性の場合は、ステロイドパルスやリツキサン、血漿交換などを行っています。
 また、IgA腎症などの慢性腎炎の患者さんは、必要に応じて腎生検や扁桃摘出などを行います。
 小児の慢性腎不全の患者さんの中では、先天性腎尿路異常(低形成腎や膀胱尿管逆流症など)が多く、腎機能評価や腎不全の管理(血液透析・腹膜透析を含む)、また腎移植目的に入院しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 315 6.28 11.50 0.32% 57.94
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 93 5.68 7.40 0.00% 74.45
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 80 7.66 12.63 0.00% 69.40
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 46 8.02 12.05 0.00% 54.00
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 33 4.85 10.97 0.00% 76.21
 泌尿器科での腎がん症例数は非常に多く、2018年は約320例と国内最多です。画像検査が十分でない時代は、痛み、腹部腫瘤、肉眼的血尿などの症状で見つかる事が多かったのですが、現在、当科で治療を受けられる患者さんの8割近くは症状がなく、検査で腎がんが発見されています。
 前立腺がんの大半は症状がなく、前立腺特異抗原(PSA)という癌のマーカーが使われるようになって、早期に発見される数が増えています。当科では前立腺腫瘍センターにおいて扱われ、手術とともに放射線治療やホルモン治療などが行われています。当科では年間約250人の患者さんが前立腺生検検査を受け、そのうち約100人の患者さんが新たに前立腺がんの診断を受けています。
 膀胱がんは尿をためる袋状の臓器である膀胱の粘膜に発生するがんです。血尿として発見されることが多く、その大半は粘膜内にとどまりますが、進行するとリンパ節や他の臓器に転移します。当科では年間約200例前後の膀胱がんの症例を診断、治療しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 70 18 19 15 64 90 1 7
大腸癌 66 46 89 39 52 110 1 7,8
乳癌 95 86 16 53 35 1 7,8
肺癌 70 51 82 97 104 153 1 7,8
肝癌 17 30 26 61 188 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
●「初発の5大癌のUICC 病期分類別ならびに再発患者数」 について
 5大癌と呼ばれる、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の入院治療を行った患者さんの人数を、初発はステージ別の人数を、再発は総数を集計しています。
 
 「初発」 … 当院で癌と診断された場合や、他の医療機関で癌と診断され当院で初回治療を行った場合を指します。
 「再発」 … 「初発」時の治療完了後、再度治療を行った場合(転移を含む)を指します。
 「Stage(ステージ)」 … 癌の進行度合をⅠ~Ⅳ(1~4)で表したものです(ステージ0もありますが、集計からは除いています)。
    癌の大きさ、リンパ節転移、他の臓器への転移状況を総合的に評価しています。
    Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳと分類され、ステージⅣが最も進行していることを示します。
 「病期分類基準」 … ステージを評価する際の基準です。
    国際的な基準として「UICC TNM分類」がありますが、国内では「癌取扱い規約」も多く活用されています。
 「版数」 … 「病期分類基準」の版数です。
    数年ごとに改訂され、「UICC TNM分類」は現在、第8版が最新のものとなります。
 
【解説】
 当院には早期癌から高度進行癌まで、様々なステージの患者さんが受診されます。食道癌、胃癌、大腸癌のような消化管の早期癌に対しての内視鏡治療は、その黎明期から多くの実績がありますが、術後や再発時の化学療法、放射線療法についても、多くの症例を扱っています。女性特有の疾患である乳癌治療においては、経験豊富な女性外科医が多数在籍し、患者さんに対して、女性ならではのきめ細やかな治療を提供しています。肺癌に対しては、患者さんに負担の少ない低侵襲の鏡視下手術を早期から導入し、術後早期からの社会復帰を可能にしています。肝臓癌では当院独自の系統的肝切除術を提唱し、その安全性と有効性が認められています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 65 12.55 58.05
中等症 150 16.71 71.44
重症 19 18.00 80.05
超重症 12 22.17 76.58
不明
●「成人市中肺炎の重症度別患者数等」 について
 成人(20歳以上)の、市中肺炎患者の人数を、重症度別に集計しています。
 
 「市中肺炎」 … 日常の社会生活を送る中でかかる肺炎のことです。
 「重症度」 … 下記5項目にいくつ該当するかで決定します。
        ・男性70歳以上、女性75歳以上
        ・BUN(血中尿素窒素)21mg/dL以上または脱水あり
        ・SpO2(血中酸素飽和度)90%以下
        ・意識障害あり
        ・収縮期血圧90mmHg以下
     該当なし…「軽症」、 1~2項目…「中等症」、 3項目…「重症」、 4~5項目(または意識障害あり)…「超重症」、
     1項目でも不明な場合…「不明」    (『成人市中肺炎診療ガイドライン』に基づく)
 「平均在院日数」 … 入院期間の平均日数です。入院期間が4月1日~4月3日の場合、在院日数は3日となります。
 
【解説】
 いずれの肺炎の重症度分類の項目にも該当しない「軽症」から、1~2項目に該当する「中等症」までが、全体の患者さんの9割近くを占めています。また、重症度が上がるにつれて平均年齢も高くなる傾向にあり、「重症」、「超重症」の患者さんのほとんどが、70歳以上の高齢者です。
 治療内容としては、軽症の患者さんの多くは外来での治療を行ない、入院加療を必要としないことがありますが、酸素吸入を必要とする患者さんには入院での加療が必要となります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 167 21.93 71.68 31.14%
その他 45 24.71 66.13 33.33%
●「脳梗塞の患者数等」 について
 脳梗塞で入院された患者さんを、脳卒中の発症時期別に集計しています。
 
 「平均在院日数」 … 入院期間の平均日数です。入院期間が4月1日~4月3日の場合、在院日数は3日となります。
 「転院率」 … 他の医療機関へ転院した患者さんの割合です。
 
【解説】
 脳梗塞で入院する患者さんのほとんどは、神経内科で治療しています。平均年齢は70歳に達しており、とくに発症日から3日以内の急性期脳梗塞が多くを占めています。t-PA治療(薬剤を点滴する治療)やリハビリを行い、平均23日程度で退院しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
●「診療科別主要手術別患者数等」 について
 診療科別に、手術件数等を集計しています(人数の多い順に5つまで)。
 一度に複数の手術をされた患者さんについては、主たる手術を集計対象にしています。
 
 「Kコード」 … 手術の種類ごとに付けられた識別コードです。『医科診療報酬点数表』に基づいています。
 「平均術前日数」 … 入院日から、手術日の前日までの、平均日数です。
 「平均術後日数」 … 手術日の翌日から、退院日までの、平均日数です。
 「転院率」 … 他の医療機関へ転院した患者さんの割合です。
内分泌内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 66 2.26 13.06 0.00% 51.68
K754-2 腹腔鏡下副腎摘出術 21 2.29 7.76 0.00% 53.81
K171-22 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(頭蓋底脳腫瘍(下垂体腫瘍を除く))
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術)
 ホルモンを出す脳下垂体や副腎の腫瘍を摘出する際に、内分泌機能を正確に調べ、全身の状態を整えるために手術の前後で入院します。手術前に2~3日、手術後に1~2週間の入院を要します。
 腎血管性高血圧症の血管内治療は、小児も含めて年間10件弱の実施数です。
 外科や画像診断科との緊密な連携の下、診断・治療を行っています。
糖尿病・代謝内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K610-3 内シャント設置術 34 12.79 16.85 0.00% 61.29
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)
K2762 網膜光凝固術(その他特殊)
K607-3 上腕動脈表在化法
K0503 腐骨摘出術(足その他)
 糖尿病・代謝内科で最も多い入院中の手術は、血液透析のための内シャント作製術です。糖尿病性腎症が進行して腎不全に至った場合、血液透析あるいは腹膜透析を行うことになりますが、内シャントは血液透析を継続する上で必要となります。手首に近い腕の動脈と静脈を縫い合わせ、動脈血が静脈に流れるようにする手術です。
 また、動脈硬化が進行した糖尿病さんでは、足病変といわれる足趾の潰瘍や壊疸ができる場合があり、その治療のために入院される患者さんも増えてきました。当科では、形成外科や整形外科と密接に連携をとりながら、この治療にあたっています。
糖尿病眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 151 1.69 2.26 0.00% 68.67
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 40 1.43 5.58 0.00% 59.65
K2683 緑内障手術(濾過手術)
K2685 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートあり)
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートなし)
 糖尿病眼合併症で頻度の高い白内障に対する 水晶体再建術 や、糖尿病性増殖性網膜症に対する 硝子体茎顕微鏡下離断術 において、糖尿病・代謝内科の全身管理のもと、高い実績をあげております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 631 0.68 1.54 0.00% 73.32
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 115 0.79 4.15 0.00% 67.77
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) 18 0.61 2.67 0.00% 62.11
K2021 涙管チューブ挿入術(涙道内視鏡) 15 0.80 1.00 0.00% 74.67
K275 網膜復位術 13 0.23 4.08 0.00% 47.15
 眼科で行われる手術の内訳では、加齢性白内障に対する水晶体再建術が最多であり、日帰り手術も多く施行しております。
 次に黄斑前膜、黄斑円孔といった代表的黄斑疾患に対する硝子体茎顕微鏡下離断術が多くなっており、網膜剥離、増殖糖尿病網膜症、増殖性硝子体網膜症などの難治症例に対しても随時対応しています。
 眼内レンズ脱臼や無水晶体眼等に対して眼内レンズ縫着術や強膜内固定術を行っています。
 また、涙の流れ道が閉塞している患者さんに対しては涙道内視鏡を用いて涙管チューブ挿入術を行っております。
 若年の網膜剥 離の患者さんに対しては強膜内陥術を用いた網膜復位術を第一選択としております。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 53 1.13 8.26 0.00% 31.34
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 47 1.00 5.34 0.00% 51.74
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 33 1.18 7.67 0.00% 46.73
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術1型(骨、軟骨手術) 29 1.07 4.97 0.00% 49.52
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 26 1.62 6.35 0.00% 60.12
 手術数が最も多い口蓋扁桃摘出術は、特にIgA腎症の治療の一環として数多く行われています。大学病院の特性として、合併症があり一般病院では難しい症例について、全身管理を他科と連携して行うことが多いことも特徴です。
 2番目および5番目に多い、内視鏡下鼻副鼻腔手術は、手術操作を加える副鼻腔の数と位置によってⅠからⅤ型(1から5型)に分けられています。当科では重症の副鼻腔炎や副鼻腔真菌症の症例を多く扱っているため、難度の高いⅣ型(4型)の手術件数が多くなっています。最高難度のⅤ型についてもコンスタントに症例があります。
 3番目の鼓室形成術は、慢性化膿性中耳炎・真珠腫性中耳炎・中耳奇形・耳硬化症などに対して、耳漏の停止や聴力改善を目的として行う手術です。耳の手術としてはほかに顔面神経減荷術、アブミ骨手術、外耳道病変に対する外耳道形成術、外リンパろうに対する試験的鼓室開放術なども行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 18 1.17 10.89 0.00% 66.33
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 10 1.00 5.10 0.00% 54.10
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満)
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満)
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満)
 皮膚悪性腫瘍としては、悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、ボーエン病などの入院手術を行っています。大型の病変では、取り残しの無いように十分に切除した後に植皮術を行っています。
 皮膚、皮下腫瘍摘出術は、大きさ、部位などの問題から、外来での切除が困難な腫瘍について行っています。その種類はさまざまで、ほくろ、上皮系腫瘍、脂肪腫、血管腫などです。足の裏のほくろは悪性黒色腫との見きわめが大切で、切除した病変を組織検査して正確に診断しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 220 3.13 27.29 11.82% 50.21
K1541 機能的定位脳手術(片側) 113 2.12 5.06 0.88% 50.42
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 72 3.13 15.75 6.94% 36.33
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 69 1.70 19.28 15.94% 61.29
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 36 0.25 10.47 11.11% 72.28
 現在、当院にはインテリジェント手術室があり、腫瘍の位置情報(解剖学的情報:術中MRIとナビゲーション)、どこに重要な脳の働きをする場所があるかの情報(機能的情報:覚醒下手術や運動神経モニタリング)を提供しながら、手術を遂行しています。解剖学的情報を提供する術中MRIは、手術中にMRI検査ができる装置(術)であり、情報誘導手術の核となります。結果としてMRI画像上の腫瘍の平均摘出率は90.6%でした。この術中MRI画像を基にしたナビゲーションは術中の変化に対応しています。初代術中MRIは2000年から2013年まで、現在2代目の術中MRI装置が稼働しており、これまでに総計1817例(うち神経膠腫1550例)の手術を行っています。さらに悪性腫瘍に対する光線力学的療法を行っており、「腫瘍細胞に選択的に集積する性質を持つ光感受性物質を患者さんに投与し、腫瘍組織にレーザー光を照射すると、光感受性物質とレーザー光の光化学反応で、強力な活性酸素が発生することによって腫瘍細胞を死滅させる」、というメカニズムを利用した治療法です。画像診断で悪性神経膠腫が強く疑われる場合や悪性神経膠腫の再発に対して手術を行う場合が治療対象となりますが、標準的な放射線化学療法も行っています。
 定位脳手術は、脳の中の特定の構造物をターゲットとして、そこへ電極を留置して治療を行う方法のことです。細い電極の先端を、1mm単位で正確に特定の場所に留置する必要があることから、定位(位置を定める)脳手術といいます。定位脳手術には、電極を留置して熱凝固を行う凝固術と、持続的に電気刺激を行う脳深部刺激療法があります。これらの治療は、パーキンソン病、ジストニア、本態性振戦などの不随意運動疾患に対する治療として用いられます。脳深部に細い電極を留置し、視床や淡蒼球を熱凝固または電気刺激をすることで不随意運動が改善します。凝固術の最大の利点は、1回の手術で治療を完結できることです。脳深部刺激術のように、体内に機械を埋め込み、持続的に刺激を行い続ける場合には、機械の不具合、感染症、一定期間でのバッテリー交換手術の必要性、MRI撮影が困難など、様々な不利益を被る可能性があります。そのため、若い患者様には、より凝固術での治療が望ましい場合が多くなります。刺激術は、組織破壊をせずに治療効果が得られるため、不可逆的な変化を起さずに治療効果を得ることができます。いずれの治療法も、利点、欠点があり、どちらがより望ましい治療であるかを判断して選択することが重要です。
 脳動脈瘤に対する開頭手術では①動脈瘤を金属(チタン)で作られたクリップで閉塞させる「クリッピング術(時にコーティング術を併用)」、②動脈瘤をテフロンで覆って破裂を防ぐ「コーティング術(時にクリッピング術に併用)」、③動脈瘤に対するクリッピング術やコーティング術が困難な場合に動脈瘤部にバイパスを作って動脈瘤を血管ごと閉塞してしまう「トラッピング術」があり、当院ではその全てに対応しています。もやもや病や頭蓋内脳血管閉塞症に対する血行再建術(バイパス術)も年間約60例行っています。
乳腺・内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 95 1.40 3.11 0.00% 56.31
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 76 1.38 8.00 0.00% 59.58
K4632 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘) 68 2.04 5.91 0.00% 48.26
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(副甲状腺摘出術) 40 2.15 4.38 0.00% 58.08
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 38 1.53 7.95 0.00% 58.66
 乳腺・内分泌外科では、乳癌の手術症例と内分泌領域(甲状線、副甲状腺、副腎)の手術症例が、ほぼ半数ずつとなっています。
 すべての分野において、安全で安心な医療を提供することを第一の目標として、治療に取り組んでいます。
化学療法・緩和ケア科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 39 1.92 5.54 0.00% 64.36
K688 内視鏡的胆道ステント留置術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢)
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法
 化学療法・緩和ケア科で行われる処置の中で最も多いものは、中心静脈ポート造設(点滴や薬剤を投与するための「針の刺し口」の器具を皮下に埋め込む処置)です。抗がん剤などの刺激性の高い薬剤の投与や、食事摂取が出来なくなった時の高カロリー輸液を行うときなど、悪性腫瘍の治療の様々な場面で用いられています。上腕や前胸部の皮下に埋め込みをすることが多いです。
 また、症状緩和治療として、胸水や腹水の貯留がみられたときに、局所麻酔下でチューブを挿入し排液することで苦しさをとる処置、抜いた胸水や腹水を機械処理して栄養成分を体内に戻す胸水・腹水濾過濃縮再静注法、胆汁の流れ道が滞った際に通り道を確保するための処置である胆道ステント留置術、尿の通り道である尿管ががんによる影響で狭窄してしまった時の処置である尿管ステント留置術、などがしばしば行われる処置として挙げられます。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K836 停留精巣固定術 34 1.00 1.00 0.00% 4.38
K6335 鼠径ヘルニア手術 27 1.00 1.00 0.00% 4.52
K6333 臍ヘルニア手術 14 1.00 1.00 0.00% 3.79
K8282 包茎手術(環状切除術)
K7151 腸重積症整復術(非観血的)
 ⼩児外科で最も多い⼿術は精巣固定術です。これは、精巣を陰嚢内の正しい位置に固定する⼿術です。精巣は正常位置にあることで、良好な発達を期待することができます。当科では基本的に⼿術翌⽇に退院が可能です。
 次に頻度の⾼い⼿術として、⿏径ヘルニア⼿術があげられます。⿏径ヘルニアとは、お腹の中に納まっている臓器が⿏径部(⾜のつけ根)から脱出してしまう病気です。脱腸と呼ばれることもあります。⿏径ヘルニア⼿術は、この脱出する袋を根元でしばる⼿術です。当科では、従来の⿏径法だけでなく腹腔鏡⼿術でも⿏径ヘルニアの治療を⾏っています。
 他に⽐較的多い⼿術として環状切開術があります。環状切開術は男の⼦の包茎に対して⾏われる⼿術です。必ずしもすべての包茎に⼿術が必要な訳ではありませんが、気になる症状がありましたらいつでもご相談ください。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 227 2.58 18.54 29.07% 70.18
K0543 骨切り術(指(手,足)) 44 1.43 13.64 6.82% 64.75
K0542 骨切り術(下腿) 40 1.15 15.65 27.50% 56.23
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 35 1.06 10.49 5.71% 30.83
K110-2 第一足指外反症矯正手術 33 1.36 12.30 0.00% 62.45
 関節や脊椎のさまざまな病気・ケガに対して、いろんな手術を行っています。例えば人工関節置換術は、変形が強くなって動かすのが痛くなった膝関節、股関節、肩関節などを人工関節にかえることで、痛みが軽くなり、日常生活が楽におくれるようになる手術です。近年手術技術が進歩し、成績が向上してきています。当科では多くの症例を治療しています。また、足関節、肘関節、指の関節にも人工関節置換術を多数行っている、全国でも有数の施設です。
 変形した関節に対する手術として、人工関節置換術以外の方法として、骨切り術というものがあります。変形した関節の周りで骨を切って変形を矯正し、関節の機能を改善させる方法で、関節を温存したまま痛みを軽くすることができます。変形の程度が軽い患者さんに適応があります。
 また、関節鏡を用いた靱帯形成術は、スポーツなどで主に前十字靱帯という膝の靱帯をケガした場合に行います。小さい傷で回復も早く、ケガをする前のスポーツレベルに戻ることを目標にしています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K333 鼻骨骨折整復固定術 37 1.24 1.11 0.00% 29.68
K476-2 再建乳房乳頭形成術 21 0.57 2.90 0.00% 53.86
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 19 1.00 5.37 0.00% 54.95
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 17 0.18 1.29 0.00% 76.12
K0171 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付き)(乳房再建術) 15 1.07 10.87 0.00% 48.07
 鼻骨骨折に対する鼻骨骨折整復固定術は、手術翌日退院する方がほとんどです。
 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術は、乳癌に対する手術により乳房がなくなった患者さんに対する、インプラントによる乳房再建手術です。術後5日目頃に、手術部の血液や体液を取り除くドレーンが抜けて退院となります。
 眼瞼下垂症に対する挙筋前転法は、術後から翌日まで腫れを予防するために目を冷やし、翌日退院する方がほとんどです。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 261 2.67 2.68 0.77% 64.50
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 221 2.45 3.24 1.81% 69.43
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 169 0.95 3.80 1.18% 71.05
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 133 3.18 2.38 0.75% 58.83
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 123 2.42 3.54 4.07% 69.56
 循環器内科で最も多かった手術は、経皮的カテーテル心筋焼灼術であり、症例数も増加傾向となっております。
 2番目に多かった手術は、経皮的冠動脈形成・ステント留置術となっており、平均して術後3日ほどで退院されております。
 3番目に多かった手術は、四肢の動脈に対する血管拡張術・血栓除去術であり、症例数も増加傾向にあります。やはり平均して術後3日ほどで退院されております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 107 7.38 17.80 10.28% 67.68
K5551 弁置換術(1弁) 60 9.88 25.07 15.00% 69.90
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 56 5.11 7.77 3.57% 72.70
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 56 10.13 9.77 19.64% 82.55
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 54 5.00 9.74 5.56% 70.59
 心臓血管外科で最も多かった症例は、冠動脈バイパス術による入院で、平均在院日数は約26日です。
 次に多いのは、大動脈弁狭窄症を主に、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症等に対する、単弁置換術のための入院です。術後3日間程集中治療室に滞在した後、一般病棟に移動し、リハビリテーション、抗凝固療法、術後心機能、弁機能、等の確認検査を施行します。高齢者が過半数を占めており、平均在院日数は約36日となっています。
 次いで、胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、経カテーテル大動脈弁置換術の順となります。
循環器小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 50 3.30 4.56 0.00% 30.52
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 25 1.88 2.16 0.00% 35.12
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 15 2.33 2.93 0.00% 25.13
K570-3 経皮的肺動脈形成術 14 5.14 14.57 0.00% 22.86
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独)
 先天性心疾患では、高頻度に不整脈を合併いたします。内服薬が無効の難治性不整脈が少なくなく、また心室頻拍などの致死的不整脈も多いため、突然死する小児患者も存在します。このような状況の中、カテーテル、心筋焼灼術(アブレーション)が非常に効果的にこれらの不整脈を治癒させることができ、しばしば行われている現状です。心房中隔穿刺などで左心系にアプローチして焼灼を行うこともあります。
 心房中隔欠損症や心室中隔欠損症は、先天性心疾患の中でも多い疾患であり、心雑音などの症候が軽微で発見されづらいことから、小児から老人に至るまで幅広い年齢層にわたって患者が存在します。従来は開胸手術による修復しか治療の選択肢がありませんでしたが、近年カテーテルによる閉鎖栓を用いた治療が可能となり、本疾患の標準治療となっています。経食道エコーまたは血管内エコーガイド下に行われ、施行者は専門学会のライセンス取得者に限られています。
 先天性心疾患では、さまざまな血管の狭窄や閉塞を伴うものが多く、特に肺動脈狭窄はもっとも頻度の高い疾患です。これらの病態に対してカテーテルによるバルーン拡大術が行われ効果を上げています。狭窄を解除することで、肺血流の不均衡を是正し、右室への圧負荷を軽減することで、心不全の改善や肺の発育の正常化をもたらします。年齢によりますが、多くは全身麻酔下で、複数の術者により、手術同様の厳重な血行動態の観察下に施行されます。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 67 2.78 10.40 2.99% 69.01
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 50 2.42 8.24 0.00% 68.40
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 23 3.39 6.48 0.00% 43.00
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) 21 1.90 8.95 0.00% 61.48
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 19 1.37 10.89 5.26% 66.58
 呼吸器外科では、肺癌の手術を目的として入院される患者さんが多いため、標準手術である肺葉切除術を最も多く行っており、ほとんどの手術を低侵襲な胸腔鏡下に行っています。
 その他にも転移性肺腫瘍・良性肺腫瘍の患者さんや、低肺機能の患者さんに対しては、肺切除より小さく肺を切除する、部分切除や区域切除を行い、肺の機能を温存するようにしています。
 また、気胸に対する胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術)は、術後の在院日数を少なくし、早期の社会復帰を目指しています。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 127 5.00 6.63 0.00% 36.27
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 118 10.52 7.16 0.00% 35.40
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) 38 1.18 0.08 0.00% 37.29
K909-2 子宮内容除去術(不全流産)
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他)
 厚⽣労働省の「平成23年医療施設静態調査」によると、平成23年の帝王切開での出産の割合は19.2%となっています。当院での帝王切開率は40・50%となっており、全国平均より⾼い傾向にあります。これは、総合周産期センターとしての役割を担うべく、様々な産科合併症、胎児異常を診療する機会が多いためと考えられます。また、⼤学病院のため診療科は多岐にわたり、⺟体合併症を有する妊娠を扱うことが多くなることも⼀因として考えられます。
 頻度は減りますが、帝王切開に次いで多い⼿術は稽留流産に対して⾏う流産⼿術になります。当院では、1泊2⽇での対応とさせていただいております。
小児科(新生児)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 22 0.05 25.91 0.00% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度)
K7292 腸閉鎖症手術(腸管切除を伴う)
K8872 卵巣部分切除術(腹腔鏡)
 新生児仮死は、十分に呼吸が出来ない状態で産まれてきて、そのまま放置すると新生児死亡または重度の脳障害を残すことがある重篤な新生児の病気の1つです。新生児科医は仮死で産まれた新生児に対して、呼吸を確立させる目的で新生児蘇生術を行います。具体的には、呼吸を確立させるための刺激やマスクを用いた呼吸補助、そして必要に応じて気管支に管を挿入して人工呼吸を行うこともあります。さらに心臓の動きが極端に悪い場合には、心臓マッサージをおこなうこともあります。新生児蘇生術は、新生児医療にとって大変重要な治療法であるため、一定の手技の習得が必要なことから、手術と同様の手技に分類されています。仮死第1度と2度の違いは、2度が1度よりも重症の新生児仮死であることを示しています。当科では、合併症を持ったハイリスク妊婦からハイリスク新生児が産まれることが多いため、新生児仮死蘇生術の頻度が高くなります。新生児仮死蘇生術を適切に行うことによって、新生児の予後改善に貢献出来るように努力しています。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 94 1.15 4.49 0.00% 49.54
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 68 1.06 4.22 0.00% 39.82
K867 子宮頸部(腟部)切除術 61 1.00 1.03 0.00% 44.52
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 47 1.21 4.40 0.00% 46.06
K863 腹腔鏡下子宮内膜症病巣除去術 38 1.00 4.32 0.00% 38.39
 婦人科では、腹腔鏡下手術を安全に施術するために、エビデンスに基づいた厳格な基準によりその適応を決定しています。腹腔鏡下手術を希望される場合は、外来担当医もしくは腹腔鏡外来にてご相談ください。また、ダヴィンチによるロボット手術も積極的に行っており、多くの実績を上げています。また子宮筋腫や子宮内膜症などに関しては、薬物療法や子宮動脈塞栓術などの代替治療も選択できますのでご相談ください。術前の血液検査や画像診断で悪性腫瘍が疑われる場合や、過去に受けた手術により腹腔内癒着が激しいと判断された場合は、開腹術をお勧めすることもあります。卵巣癌、子宮癌等の悪性腫瘍に対しても、手術療法だけではなく、化学療法や放射線療法を取り入れた集学的治療を行っています。特に、ごく初期の子宮頸癌の場合は、子宮頸部円錐切除術により、子宮本体を残した妊孕能温存療法を積極的に行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 221 1.05 3.05 0.00% 66.92
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 53 2.08 17.75 1.89% 70.96
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 45 2.00 6.60 0.00% 63.56
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 45 1.29 6.40 0.00% 72.20
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 38 1.58 7.66 0.00% 73.08
 多数例の大腸のポリープに対して安全かつ短期入院で、内視鏡的ポリープ・粘膜切除術をおこなっています。また、総胆管結石、膵癌・胆管癌の閉塞性黄疸に対して、安全に内視鏡的胆道ステント留置術をおこなっています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 153 0.49 2.48 0.00% 66.97
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 86 5.69 10.45 0.00% 67.83
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 86 1.14 5.87 0.00% 72.84
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 64 1.86 5.08 0.00% 60.11
K6335 鼠径ヘルニア手術 59 1.98 4.71 0.00% 67.93
 一般外科的手術、大腸ポリペクトミー、TACEなど患者さんに最適な治療を選択しています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K610-3 内シャント設置術 43 12.33 16.28 4.65% 64.93
K607-3 上腕動脈表在化法
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K654 内視鏡的消化管止血術
 慢性腎臓病が末期腎不全に進展した場合、透析の準備として、内シャント設置術を行う必要があります。内シャントは作成後、穿刺ができるようになるまで少なくとも2週間を要します。さらに高齢化に伴い、血管の発達に2週間以上を要する症例も増えており、末期腎不全の患者様には前もって、内シャント造設をお勧めしております。しかしながら、急激な腎機能障害の進行や体液過剰、高カリウム血症により緊急透析が必要になる方もおり、まずは透析用カテーテルを挿入し透析を行い、全身状態の改善を図ったうえでシャント設置術を行う方もいるため、術前日数が12.33日となっております。また透析導入後も2週間ほど血液透析の条件の調整や、患者さまに透析に慣れて頂く期間を考慮し術後16.28日程度日数を要します。
 前述のシャントと同様に心機能低下の末期腎不全では、シャントは心臓へ負担がかかるため、上腕動脈表在化を造設します。こちらも心機能低下例で、抗凝固剤のへパリンへの置換が必要なケース、抗血小板剤内服下での手術は、いずれも術後に血腫などの合併症が懸念されるため、術後の創部の状況次第で退院となっています。
 腎代替療法として腹膜透析があり、こちらは全身麻酔下で腹腔内に腹膜透析カテーテルを挿入します。挿入後すぐに腹膜透析を行う場合と、腎機能に余裕がある場合は退院し、再度腹膜透析導入目的に入院を行うことがあります。
 急性腎不全や腎尿路感染症の原因には腎後性腎不全があり、尿路結石等による尿管狭窄、閉塞を来すことで腎機能の低下や感染症を招きます。そのため尿路の狭窄、閉塞を解除する必要があり、尿管ステント留置を行うことがあります。
 慢性腎臓病stage4以降は腎性貧血が出現します。この中で貧血進行にて精査入院を行うことがあります。消化管出血が疑わしい場合は下部内視鏡検査を行い、保存期腎不全、透析患者ともに水分調整が困難、出血しやすいため、大腸ポリープがある場合は入院で切除(EMR)を行うことがあります。
腎臓外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 35 3.34 4.60 2.86% 64.03
K610-3 内シャント設置術 22 4.09 7.64 0.00% 61.45
K6072 血管結紮術(その他) 15 0.27 8.47 6.67% 61.60
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) 11 4.91 10.91 18.18% 58.45
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術
 腎臓外科で最も多かった手術は、血管移植術、バイパス移植術で、これは透析用に人工血管を移植しています。平均して術後5日ほどで退院されています。
 2番目に多かった手術は、透析用の内シャント作成術で、平均して術後7日ほどで退院されています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K773-5 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 254 1.15 3.81 0.39% 58.05
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 93 1.46 3.09 0.00% 74.26
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 79 1.10 5.65 0.00% 69.43
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 42 1.36 5.21 0.00% 60.62
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 37 1.84 10.41 0.00% 61.70
 早期腎がんに対しては、手術支援ロボット、ダヴィンチを用いたロボット支援下腎部分切除術を実施しています。当科では2013年から始めており、その手技は確立されています。また、2016年4月より保険適用となっています。 腫瘍の大きさやステージによっては、腹腔鏡下腎摘除術、ないし開腹腎摘除術を行います。転移性腎癌に対しては薬物治療を行っています。
 前立腺がんに対しては、当科では2011年からダヴィンチを導入する事で、がんの根治性と機能温存の精度を向上する事が可能となりました。最近では全例ロボット支援手術を行っております。当院において前立腺がんに対してロボット支援前立腺摘除術を行った患者さんの、5年生存率(手術後5年の時点で生存している確率)は100%です。
 膀胱がんの80%は表在性で転移を起こしにくく、内視鏡的に切除します。しかし追加治療をしないと約60%は再発し再手術が必要となります。進行してがんが膀胱粘膜から筋層にまで広がると、全身麻酔でおこなう膀胱全摘術が必要となります。当科では年間180例の内視鏡的切除術と、15例前後の膀胱全摘術が行われています。2018年4月よりダヴィンチを用いたロボット支援下膀胱全摘術を実施しています。そのほか、膀胱がんには放射線治療や化学治療が施行されています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 9 0.04%
異なる 39 0.17%
180010 敗血症 同一 55 0.23%
異なる 89 0.38%
180035 その他の真菌感染症 同一 5 0.02%
異なる 4 0.02%
180040 手術・処置等の合併症 同一 144 0.61%
異なる 16 0.07%
●「その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)」 について
 播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症について、患者さんの人数と発生率を集計しています。
 
 「DPC」 … 診断病名と治療方法の組合せによって決定される、14桁の番号のうち、先頭6桁(疾患コード)を抜き出したものです。
 「入院契機(同一、異なる)」 … 入院するきっかけとなった傷病名を「入院の契機となった傷病名」、
    主に治療した傷病名を「医療資源を最も投入した傷病名」といい、
    これら二つの傷病名が「同一」か「異なる」かに分けて集計しています。
    「同一」ならば、入院するきっかけとなった傷病を主に治療して退院したことになり、
    「異なる」ならば、入院後に他の傷病が治療の主となったことになります。
 「発生率」 … 全退院患者に対しての発生割合です。
 
【解説】
 厚生労働省による、平成29年度のDPC対象病院の全国平均発生率は、播種性血管内凝固症候群(0.16%)、敗血症(0.57%)、その他の真菌感染症(0.04%)、手術・処置等の合併症(0.76%)となっています。当院の発生率は、全国平均と比較すると、それぞれ若干上回る傾向があります。また、多くの場合、重篤な主疾患の合併症として発症していますが、手術・処置等の合併症については、「同一」がほとんどであることから、多くが入院時すでに発症していたことがわかります。
 
【手術・処置等の合併症の内訳】 ※カッコ内の数値は入院契機が「異なる」症例の件数(内数)です
 41件 (3件) … 心臓及び血管のプロステーシス、挿入物及び移植片のその他の明示された合併症(透析シャント閉塞等)
 39件 (3件) … その他の心臓及び血管の人工器具、挿入物及び移植片による感染症及び炎症性反応
          (ペースメーカ植え込み後感染症等)
 19件 (3件) … 処置に続発する感染症、他に分類されないもの(術後感染症等)
 10件 (0件) … その他の心臓及び血管の人工器具及び挿入物の機械的合併症(透析シャント機能低下等)
 51件 (7件) … その他
更新履歴
2019/09/30
H30年度 病院指標を公開しました。