■複合検査の重要性と多目的診断の必要性PETは「がん」の診療にとって画期的な検査法といえますが、これさえ受ければ完璧というわけではありません。他の検査や画像診断とあわせて初めて、存在部位や広がり、重症度がより明確になります。また、臓器や部位によっては、PETだけでは見つけることができない「がん」があることも、理解しておかなくてはなりません。 当院はこのようなPETの特徴をふまえ、複合検査の重要性と多目的診断の必要性に注視し、つねに高精度の診断に結び付くよう、工夫と努力をしております。 |
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造影CT(上図)では肝右葉に動脈相でリング状に造影される腫瘤を認めるが、ほぼ同じ部位のPET/CT(下図)では異常集積を認めない。 | 膵頭部にのう胞を認め、のう胞の壁は弱いFDGの集積を認める。肝右葉には軽度のFDG集積を伴う転移巣を認める。 | CTでは左腎盂に腫瘤を認める。ほぼ同一断面のPET/CTでは腫瘤の位置に一致してFDGの高集積を認めるが、正常でも認められる尿による腎盂内の高集積と区別することは不可能である。 | 左肺上葉にすりガラス状の淡い陰影を認める。この部位にはFDGの集積は認められない。 |
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ワルチン腫瘍。右耳下腺内にCTで認められる腫瘤に一致して、PET/CTでは高度の異常集積を認める。集積程度だけでは、耳下腺癌と区別できない。 | 健常女性排卵期に認められる卵巣の生理的集積 | 膀胱を上から圧排する、大きな子宮筋腫をCT上で認める。筋腫全体に一致して、内部に一部高い集積部位を伴うFDGの軽度異常集積を認める。 | 両肩から脊柱の両脇に認められる集積は、寒冷期に比較的若い女性によく見られる褐色脂肪の所見である。褐色脂肪は熱産生に関与しているとされている。 |