1.概要
当院放射線治療部門は、リニアックを2台とγナイフ治療装置1台を有し、年間おおよそ1000件(うちγナイフ治療が300件)の治療を行っています。
2005年に強度変調放射線治療(IMRT)を始めました。当時は高度先進医療として前立腺癌と頭頸部癌症例を対象としました。
現在はIMRTからVMATに移行し、VMAT症例数も順調に増加して全症例のおおよそ40%がVMATとなっています。
2.特徴
リニアックによる外部放射線療法
VMAT対象症例のおおよそ25%が脳・脊髄腫瘍の患者さんです。続いて前立腺癌の20%、肝・胆・膵臓癌の13%、肺・縦郭腫瘍11%、頭頚部腫瘍10%の順となり、これらの症例で全体の75%を占めています。当院放射線治療室の特徴として脳・脊髄腫瘍症例が多いこと、定位放射線照射や寡分割照射など症例に応じて治療効果の高い照射法を積極的に導入していることなどがあげられます。
画像誘導放射線治療(IGRT)にはオンボードCBCTを体表面画像誘導放射線治療(SGRT)には光学式体表面情報取得装置IDENTIFYを用いています。前立腺癌や頭頸部癌の患者さんにはCBCTを乳癌の患者さんにはIDENTIFYを用いています。
適応放射線治療(Adaptive radiotherapy;ART)については、腫瘍の縮小に応じて新たに治療計画を作成したり、あらかじめ決めたタイミングで再治療計画を作成したりし、できるだけ治療時の状態に治療計画が適応するようにしています。
現在、治療を行うたびにMR画像などを撮影し、そのたびに治療計画を作成するdaily online replanningによる即時適応放射線治療には、対応していません。
3.使用システム
リニアック
バリアンメディカルシステムズ社製 TrueBeam「トゥルービーム」 2台を使用しています。
L2室 TrueBeam #5973
L3室 TrueBeam #3138
γナイフ治療装置
エレクタ社製Icon「アイコン」を使用しています。
Leksell Gamma Knife Icon
治療計画装置
バリアンメディカルシステムズ社製 ECLIPSEとエレクタ社製 Gamma planを使用しています。