CT

1.概要

X線を用いた断層撮影です。検出器が64列~320列と多様な機種が存在し、さまざまな検査目的に応じて装置を使い分けています。また、検査の内容によってはワークステーションを使用した3D画像作成や画像解析を行っています。

2.特色

検査件数は1か月あたり約3,500件になります。 脳や躯幹部のルーチン検査のほか、大血管、末梢血管、腹部血管、心臓(冠動脈、心筋)、脳灌流、骨・関節など幅広い領域の検査を行います。東京女子医科大学病院はその沿革から各臓器別の9センターを歴史にもっており、9つのセンターがそれぞれ検査室を持っていました。現在検査室は外来センター・西病棟・中央病棟の3か所に集約されましたが、各センターにて実施していた専門性の高い検査を現在も引き継いでいます。また、3D画像処理業務は全ての部位を対象に技師が作成し情報提供を行っています。

3.設置装置

診断用のCT装置は7台あります。装置更新は順次行われ、その都度新しい技術に触れることができます。 ワークステーション(画像処理装置)は3機種が設置され、それぞれがネットワークで接続され複数の端末で使用可能です。ソフトウエアの特性に合わせて使い分けています。

スキャナ

キヤノンAquilion ONE GENESIS Edition320列1台
キヤノンAquilion ONE320列1台
キヤノンAquilion6464列3台
キヤノンAquilion64 PRIME SP80列1台
GERevolution Maxima64列1台

ワークステーション

Syngo.viaシーメンス
ZIOSTATIONザイオソフト(アミン)
Vitreaキヤノン
SYNAPSE VINCENT富士フィルム

4.業務内容

(1)撮影・画像処理

全身のスクリーニング検査のほか下記のような特殊検査を実施しています。

頭頸部領域

  • 血管3DCT(脳、頚部)/脳血管4DCT/脳灌流CT(CTP)/気道4DCT

胸部領域

  • 血管3DCT(大血管、気管支動脈)/冠動脈CT
  • 心臓CT(肺動静脈、大動脈弁、先天性心疾患形態)

腹部領域

  • 血管3DCT(腹腔動脈,上下腸間膜動脈,腎動脈)/ボリュームメトリCT(肝・腎)

四肢領域

  • 血管3DCT(全下肢,移植前血管,透析用シャント・グラフト)/四肢血管4DCT
  • 骨、関節3D/腱3D

血管3Dは全ての部位で技師が作成します。

新人からベテランまで同じクオリティーで作成できるよう、作成マニュアル(動画)を充実させトレーニングを行っています。画像処理業務は解剖を立体的に理解でき、血管3DCTでは造影効果の再考、造影CT検査における注入手技のスキルアップにも役立っています。

(2)IVR-CT

CTガイド下生検・マーキング・ドレナージ

X線透視・内視鏡・超音波ガイド下での生検やドレーン挿入が不可能な部位にある対象病変に対してCTガイド下で行います。 CT画像を用いて、臓器と針の位置関係を確認しながら安全に病変に到達させます。 MDCTの普及とCT透視装置を搭載することで、より安全・確実に施行できるようになりました。

(3)線量管理

当院ではCTDI、DLPの記録は線量管理システム「FINO(コニカミノルタ製)」を用いて管理しています。CTから出力される線量データをもとに、日々実施されている検査が適正な線量で行われているか確認します。

5.取り組み

研究・技師教育

それぞれの装置で低線量かつ高画質な至適画像を提供するためには、装置の特性を熟知する必要性があります。また、画像診断・核医学科の研究はもちろんのこと、多数の診療科からも研究支援の依頼があります。全身・各臓器を対象にさまざまな研究を支援しています。

患者さんにとって最良な検査を実施できるように 学会・勉強会などに参加して自己研鑚を積んでいます。臨床症例の数も多岐にわたっていることから幅広い知識が要求されます。学生時代には知ることがなかった症例も多く、検査の一つひとつが勉強になるとともに、常に画像診断医が近くにいる環境なので+αの知識を得ることができます。

チーム医療

検査には医師・看護師・事務職員・診療放射線技師がかかわっています。

多職種がそれぞれの役割において共同で作業を行います。検査をより安全にかつスムーズに実施するためには、お互いの情報をしっかりと共有することが大切です。 常にきめ細かなコミュニケーションをとることを心掛けています。