1.概要
- 当院の乳房X線撮影室では、マンモグラフィとステレオガイド下吸引式乳房組織生検(マンモトーム)を行っています。
- マンモトームは、主に月・木曜日の午後に行っています。
- 実施件数はマンモグラフィ年間2,500件ほど、マンモトーム年間60件ほどです。
2.特色
- 撮影・検査は、すべて女性の医師と診療放射線技師で対応しています。
- マンモグラフィ検診認定医師とマンモグラフィ検診認定技師が検査に携わっています。
- 当院で使用している乳房撮影装置は、『日本乳がん検診精度管理中央機構』が認証するマンモグラフィ検診施設画像認定施設としての基準を満たしています。
3.装置・検査方法の説明
使用装置
『GE Senographe Essential』を使用しています。
この装置は、従来の装置よりも少ない被ばく線量で高画質な画像を撮影できる特徴があります。
マンモグラフィ検査
乳腺が均一に広がるように乳房を圧迫し、X線を使用して画像を取得します。一般的なX線撮影と比較して、低いエネルギーを用いることで乳腺・腫瘤・石灰化・脂肪を分けて描出することができます。そのため、腫瘤や石灰化の形状、分布などから良性・悪性の診断を行うことが可能です。 マンモグラフィ撮影は、頭尾(CC)方向と内外斜位(MLO)方向の2方向が基本となり、必要に応じて内外(ML)方向撮影・拡大撮影・スポット撮影・トモシンセシス撮影を追加しています。
トモシンセシス撮影とは、1回の圧迫でX線を異なる角度から9回撮影していきます。撮影後にコンピュータにより画像を再構成し、乳房の3次元画像を取得する新しい技術です。この撮影により、CT撮影のような奥行き方向の断面画像を得られることから、従来のマンモグラフィでは診断が困難であった高濃度乳腺(デンスブレスト)や重なりのある病変に対して、より診断能の高い画像を得ることができます。
これらはすべてデジタル管理され、常に安定した高精度な画像を提供しています。
マンモトーム
当院では、乳房内にできた疑わしい病変組織の一部を採取し、これを顕微鏡で検査する病理組織診断を行っています。超音波検査にて描出できない微細石灰化病変が対象となります。
マンモグラフィの画像で病変の位置を確認しながら乳房に針を刺し、一回の刺入で十分な量の組織を採取することができます。針を刺して組織を切り取るので大きな傷が残ることなく、縫合などの必要もありません。低侵襲で確実な良悪性などの診断ができます。
外来で行えるので、入院の必要もありません。
4.取り組み
医療安全
- 患者用検査説明書を作成し、検査内容の事前理解に努めています。
- 毎日、始業時に品質管理を行い精度の高い画像を提供できるように努めています。
チーム医療
マンモトームでは医師・看護師・診療放射線技師で検査を行っていることから、それぞれの役割分担を書き出しマニュアル化しています。 検査に携わるすべてのスタッフが患者情報や検査手技を共有することで検査をスムーズに行えるように取り組んでいます。 検査中は、患者さんとの十分なコミュニケーションを図ることで精神的な苦痛を軽減するように努めています。