石黒先生はなぜ医師になろうと思ったのですか?
人のためになる職業に就きたいと思っていました。身近な存在である町医者の父が地域に貢献して近隣の方たちに慕われている姿をみて、医師を目指しました。また、私が高校生の時、本学の創立者である吉岡弥生先生を主人公としたドラマが放映されており、これほどにも志の高い女性がいたのかと衝撃を受けたことが本学に進学した理由です。
皮膚科に進んだ理由、皮膚科の魅力を教えてください!!
父は外科出身で、皮膚の傷を縫ったり、消毒したり、軟膏を塗ったりする姿を見て、それが医師の姿と思って育ちました。臨床実習で各科を回った折、皮膚科での診察が父の姿とだぶり、極めて自然に皮膚科を選びました。皮膚科では視診のスキルを向上していけば即座に診断に至ることができるようになります。内臓疾患の初めての症状として皮膚症状が現れることもあり、皮膚の正確な診察は極めて重要です。そういった面で社会そしてすべての科に貢献できるところが大変魅力的と思います。
子どもがいても働けますか?育児との両立は難しくないですか??
私が入局当時皮膚科の医局には1, 2名のお子さんがいる先輩女医さんが少なくとも7名常勤で おり、保育園に預けて働くことが普通のことと理解していました。多くのロールモデルが身近にいたおかげで、 私も見習って、2人の娘を育てるにあたっては、配偶者の協力を得て、保育ママさん、保育園などを大い に活用しました。現在の皮膚科でも1-3名のお子さんのいる女性の常勤医が7名おり、ファミリーサポート などを活用し両立しています。
2018年4月に現職となってからも家族共通の趣味である映画鑑賞には定期的に家族で行っています。家族旅行も年に2回は計画し、地域の夏のお祭りは恒例となり参加しています。忙しくなってからむしろ、ディナーやショッピング、子供の趣味である美術館・博物館鑑賞を不定期でも計画するようになりました。時間管理を上手にすること、きちんとストレス解消をすることは大切だと思っています。
石黒先生の学生時代の思い出はありますか?
学生時代はあまりにも楽しすぎたので書ききれません。1年時の白河セミナーハウスでのオリエンテーション、できたてのディズニーランドへの学生旅行や卒業旅行の楽しい思い出が写真となって自宅に飾られています。グループで助け合った基礎の実験、いつも緊張度Maxの解剖学での口頭試問、毎年夏休みに炎天下の中で行う無医地区研究会(現地域保健研究会)のフィールドワーク、当時学長であられた吉岡守正先生との交流、臨床実習でも多くの先生方と交流させて頂きました。人生最大の山場であった国家試験・・・ いずれも今はよい思い出です。
自分の目指す医療人の姿を思い描き、高い目標をもつことが大切と思います。
また、医療人は1人の人間であり、医療以外に 多くの役割(妻、母など)を担うことが普通になっています。その場合には身体的にも時間的にも到底1人で行うことはできません。
多くの理解者(両親、配偶者)とよりより関係を維持すること、サポーター(保育・家事支援など)をうまく活用する柔軟さを身につける必要があります。そのためにも今からコミュニケーション能力を培うことをお勧めします。また、ポジ ティブな方と一緒にいる時間を増やすこと、これはポイントです。
人は壁にぶつかると簡単にあきらめるような安易な方向に行きがちです。その時大きな夢を持ち前向きに歩んでいる人と語り、初心に戻るとよいと思います。
医学部 唐澤先生>> 多賀谷先生>> 看護学部 池田先生>> 小川先生>>