大萩康司

   大萩君ショット

 1978年、宮崎県出身。9歳より母の影響でギターを始める。高校時代、日本を代表するギタリスト、福田進一氏が彼のギタリストとしての才能、抜群のテクニックは勿論のこと、加えて深く哀愁を帯びた音色を奏でる表現力に注目し絶賛、海外への留学を示唆した。
 高校を卒業すると同時に渡仏、パリのエコール・ノルマルに留学後、その翌年にはパリ・コンセルバトワール(パリ国立高等音楽院)に第1位での入学を果たし、その時から日本の音楽関係者の一部で若き天才登場と注目を集め始めた。
 そして1998年、ギターの国際コンクールとしては現在世界最高峰とされるハバナ国際ギター・コンクールにて、弱冠20歳にして第2位入賞という快挙を果たし、同時にギター作曲界の大御所であるレオ・ブローウェル作品の最優秀演奏賞も獲得、国内外のクラシック関係者を驚かせ、一気に注目のギタリストとして脚光を浴びた事は記憶に新しいところ。
 2000年の今もパリでギターを学んでいる彼が、今年キューバでレオ・ブローウェル作品集のレコーディングを行った。パリでの小コンサートのような音楽活動以外、日本国内ではほとんど公演活動の経験がない、一般的には全く無名と言える新人ギタリストの作品が今、大きな期待感を持って注目を集めている。
 抜群の技術と表現力に裏付けされた、深く響くギターの音色が、甘く切ないたたずまいを見せる彼の風貌と相まって、次世代のクラシック界をリードする可能性を確信させる。

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文責:木村綾子
ayako@gal2dr.com