01 糖尿病診療の特徴
当科で診療している糖尿病の特徴として、① 著明な高血糖および高度な合併症が多い、② 血糖コントロールが困難な症例が多い、③ 独居・高齢・認知症など経済・社会的な問題を抱えた症例が多い、が挙げられます。これは、周辺に高度な糖尿病管理を行える施設が少ないことと、病状が重くなって初めて医療機関に受診される方が多いという地域特性によると思われます。
総合内科制を取っており、他診療科との垣根も低いことから、併発疾患としての糖尿病の診療も数多く行っています。研究会や紹介・逆紹介を通じた地域連携も活発に行っています。また、看護師・管理栄養士・理学療法士に糖尿病療養指導士が在籍しており、適切な患者教育および療養指導を行っています。
02 糖尿病専門研修プログラム
日本糖尿病学会認定教育施設であり、多様で豊富な症例が経験できるので、専門医取得はもちろんのこと、将来どのような糖尿病患者に遭遇しても適切な診療が行えるようになります。当院の小児科および産婦人科、東京女子医科大学糖尿病センターとは密接な医療連携を行っています。
糖尿病は外来管理も非常に重要な疾患であるので、専門研修プログラム開始と同時に外来診療や他科コンサルトも行います。
経験できる疾患
- 1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病
免疫チェックポイント阻害薬投与後の糖尿病が増えています - 糖尿病合併妊娠および妊娠糖尿病(産婦人科との連携)
- 小児期発症糖尿病のフォロー
- 糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧昏睡
急性期疾患が豊富なので、急性期の血糖管理を習得できます - メタボリックシンドローム
- 糖尿病腎症(血液透析、腹膜透析を含む)
- 糖尿病神経障害(有痛性神経障害、自律神経障害など)
- その他の糖尿病合併症(大血管障害、足壊疽・潰瘍、感染症)
- 低血糖症(薬剤性、インスリノーマなど)
- 併発疾患としての糖尿病(他科症例を含む)
検査・治療
- 血糖自己測定(SMBG)
- 持続血糖モニタリング(CGM)(間歇スキャン式 isCGM、リアルタイム rtCGM)
- インスリン分泌能・抵抗性の評価
- 糖尿病合併症の評価(神経学検査、自律神経検査、PWV、ABIなど)
- 糖尿病教育(栄養指導、運動指導、糖尿病教室など)
- インスリン療法(CVII、CSII、強化インスリン療法など)
- 薬物療法(GLP-1受容体作動薬、経口血糖降下薬)
- 低血糖症の診断・治療
- 糖尿病合併症の治療
- 周術期の血糖管理
- 妊娠およびその前後の血糖管理
入院診療実績(症例数)
主病名が糖尿病 (教育入院、血糖コントロール、急性・慢性合併症) | 104 例 |
副病名が糖尿病 | 421 例 |
取得可能な専門医・認定医
- 認定内科医、総合内科専門医
- 糖尿病学会認定専門医、研修指導医
指導医および後期臨床研修医
田中正巳 | 糖尿病学会認定専門医、研修指導医、糖尿病学会学術評議員、内科准教授 |
山重友里花 | 後期臨床研修医 |
斎藤大幹 | 後期臨床研修医 |
国内留学
東京女子医科大学糖尿病センター
03 週間スケジュール
火 | 08:00 ~ 08:40 | 症例検討・抄読会 |
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木 | 15:00 ~ 15:30 | 糖尿病教室 |
随時:糖尿病症例コンサルト