活動報告

メディア関連/Media

2008年2月15日の読売新聞の報道について

(読売新聞の記事 「国立がんセンター手術室、磁気で手元狂う恐れあり“引退”」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080214-OYT1T00787.htm、記事のキャッシュ)

東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 先端工学外科学 教授 伊関洋

読売新聞の記事にある「装置の近くではメスが磁気で引っ張られて手元が狂う恐れ」に関して、 東京女子医科大学病院 インテリジェント手術室においては一例も発生しておりません。

東京女子医科大学病院 インテリジェント手術室では、手術室内に核磁気共鳴画像診断装置 (MRI、日立メディコ製オープンMRI 0.3T AIRIS(R) II)を設置して手術中に患者のMRI画像を 撮影しながら現在までに600例の手術を実施しております。 術中MRI画像は、手術操作による脳の変形・移動にも対応し、正確で客観的な術中画像情報を 執刀医に提供することが可能となり、手術スタッフを支援します。 これまで執刀医の経験に基づいて行われていた手術に対して、Evidence based Medicine(EBM、 根拠に基づいた医療)を提供することになります。 これにより高度で安全な手術の確立が可能となり、患者・医療スタッフ双方に有益です。

(参考:
伊関他:術中ナビゲーションシステム、臨床麻酔、vol.31、no.12、2007年12月
村垣他:覚醒下機能マッピングとモニタリングを用いた手術、脳神経外科ジャーナル別冊、vol.17、no.1、2008年1月)

東京女子医科大学病院 インテリジェント手術室では、2000年3月13日から本日までに600例の 手術を実施しています。当手術室では通常の手術器具(一部チタン製)を使用していますが、 MRI装置から一定の距離を保った磁気の影響が及ばない範囲で手術をしています。 そのため、磁気により手術器具が引っ張られるなどの問題は生じないようになっており、実際 にこれまでの手術においても問題が生じたことはありません。 読売新聞の記事にある「装置の近くではメスが磁気で引っ張られて手元が狂う恐れ」に関しては、 当手術室においては一例も発生しておりません。

東京女子医科大学病院 インテリジェント手術室においては、報道されているような問題の 心配はなく、安心して治療を受けて頂くことができます。

参考:
○術中MRIを行っている手術機関の例:

○インテリジェント手術室について

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