血液内科学分野
概要
東京女子医科大学血液内科学分野は他大学に先駆けて1973(昭和48)年から独立した血液内科として診療を開始しています。初代教授は宮﨑 保先生で、1991年に溝口秀昭先生を初代主任教授とする血液内科学講座が開設されました。2004年から第2代主任教授として泉二登志子先生が就任され、2013年4月からは田中淳司先生が第3代主任教授として就任されました。血液内科は無菌個室9床を含む34床で診療にあたっています。対象とする疾患は、再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病のような非悪性疾患から、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、骨髄腫のような造血器悪性疾患まで幅広く、化学療法・分子標的療法・造血幹細胞移植まで積極的に行っています。血液疾患は全身性疾患でもあるため、血液疾患診療を通じて総合診療能力を身につけた医師の育成を目指しています。
教育内容
年次 |
内 容 |
1年 |
血液疾患の基礎的診療技術・知識の習得
内科救急診療技術の習得(数カ月程度の救急診療部派遣)
院内内科ローテーション研修(希望により数カ月程度の他科研修が可能)
学会参加・学会発表 |
2年 |
研修協力施設(病院)での研修(血液内科および一般内科診療技術の習得)
学会参加・学会発表
認定内科医の取得 |
3年 |
血液疾患の診療
学会発表、臨床研究、基礎研究、論文執筆 |
4年 |
血液疾患の診療
学会発表、臨床研究、基礎研究、論文執筆
総合内科専門医の取得 |
5年 |
血液疾患の診療
学会発表、臨床研究、基礎研究、論文執筆
血液内科専門医の取得 |
修了
以降 |
助教としての採用、本院および研修協力施設(病院)で指導医として勤務
造血幹細胞移植学会認定専門医の取得
がん薬物療法専門医の取得 |
研究内容
血液疾患は造血器悪性腫瘍を含めて診断、治療法の進歩は目覚ましいものがあります。これは、これまでに積み重ねられてきた多くの臨床研究、基礎研究によりもたらされたものです。しかし、血液疾患の中には依然として難治性疾患が数多く存在しており、多くの課題が残されています。当科では各医師が自分の興味に基づいて、以下のようなテーマのもとに研究を行っています。
1. 造血細胞移植におけるNK細胞の役割
2. 造血細胞移植における免疫応答解析
3. 造血器腫瘍の治療と免疫応答
4. 新しい細胞療法の開発研究
5. 造血器悪性腫瘍における遺伝子異常の臨床的意義の解明
6. 骨髄異形成症候群の分子病態の解明
7. 骨髄増殖性腫瘍の病態解明
8. 悪性リンパ腫の予後予測因子の探索
スタッフ紹介
- 教授・基幹分野長
-
瀬尾 幸子
- 専門領域
- 造血細胞移植
ウィルス感染症