看護系 精神看護学
21世紀は、心のケアの時代と言われています。社会構造の変化、経済状況の悪化、高度テクノロジー化、伝統的家族制度の崩壊等々、加速度的に変化する現代社会は、そこに生きる人々に多くのストレスをもたらす結果となっています。このような時代背景のもと、心のケアに対する人々のニーズは増加の一途を辿っています。精神看護学は、1997年(平成9年)の看護教育カリキュラムの改正によって、看護教育の重要な柱の一つに位置づけられました。本学科では、看護学における心のケアの重要性に対する認識に基づき、生活の場における精神保健の問題から、精神障碍者へのリハビリテーション看護を中心に、時代的ニーズに即応した研究に熱心に取り組んでいます。
教科目
精神看護学・各論
精神看護学の講義では、人間の精神の構造と機能の理解を基盤に、精神状態に影響を受けた個人の生活行動、および人間関係に焦点を置き、精神の健康の保持増進、精神の健康障害の予防、および一旦精神障害をきたした人々に対する看護援助について学んでいます。またこれらの学びを通して、広く看護全般に活用しうる精神看護学の知識と技術を習得することを目指しています。
講義は、精神看護学概論、精神保健論、歴史および法制度論、援助技術、援助方法論、各障害別看護のほかに、家族への援助、当事者活動などの内容によって構成されています。
精神看護学実習
精神に障害を持つ人への看護実践を行う能力を養うことを目的に、
1.精神に障害をもつ人の心を、生物・心理・社会的観点から理解する
2.精神に障害をもつ人を、生活者として理解する
3.精神に障害をもつ人の理解を統合し、その人の希望や目標を達成するための看護計画を対象者と協力して立案することができる
4.対人的関わりを通して、治療的人間関係による援助を実践する
5.対人関係的関わりを通して、精神障害をもつ人の生活援助を実践する
6.精神に障害をもつ人々に対する地域包括ケアシステムにおける医療・保健・福祉的援助とその活用を理解する
7.精神科病院における専門職によるチームアプローチと看護師の機能や役割を理解する
8.精神看護および精神保健に関わる知識を活用し、行った看護実践を理論・知識体系に位置づけて評価することができる
9.医療人として主体的・自律的に学修し、看護師として成長することができる
以上を実習目標として精神看護学の実習を行っています。
リエゾン精神看護
精神看護学の一専門領域としてのリエゾン精神看護学の位置づけ・目的と機能を理解し、身体疾患を持つ対象の精神の健康問題とそれに対する看護援助、看護師のメンタルヘルスとそのサポート、および看護アプローチの技法について、講義と演習を通して学んでいます。