高血圧学分野
概要
当分野の歴史をさかのぼると、内分泌疾患総合医療センターの内科部門として、内分泌疾患を診療するとともに、内分泌を基盤とした高血圧診療を行ってきた歩みを有しています。
現在は、高血圧を中心とした関連疾患を、内分泌代謝科(内科)専門医や甲状腺専門医を有する経験豊富なスタッフが診療しています。
高血圧はただ血圧が上がる病気ではなく、体内の恒常性を維持する複雑なシステムの異常を反映した症状の一つといえます。高血圧を多角的に捉え、循環器、脳神経、腎臓など関係する他診療科とともに全人的に診る診療を行っています。
当分野ではこれらの疾患の診療、基礎研究、臨床研究を通じて全身を総合的に診療できる臨床医、国際的に第一線で活躍できる医学研究者の育成を目指しています。
教育内容
卒前教育ではSegment5を中心とした系統講義とテュートリアルの他、臨床実習では各自症例を担当し、上級医の指導のもと高血圧関連疾患の診断、治療方針決定のプロセスを学びます。
卒後教育では初期臨床研修における必修内科分野の研修科として内科学の基礎が学べると同時に、研修2年次の選択研修科として希望者を広く受け入れています。後期臨床研修については5年間のカリキュラムに基づき、診療面においては各種疾患の検査や診断、治療法について学ぶことができます。研究面においては各自テーマを持ち、研究手法、学会報告、論文のまとめ方についての指導が受けられ、希望者には臨床系大学院への進学も推奨しています。当科では日本内科学会総合内科専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医、日本甲状腺学会認定専門医、甲状腺超音波ガイド下穿刺診断専門医、日本動脈硬化学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本高血圧学会高血圧専門医、妊娠高血圧ヘルスケアプロバイダーなどの資格取得が可能です。
また、医学だけでなく労務や法務など独立に必要な知識や最新の医療ニーズに対応した技術(遠隔診療やアプリ診療など)を勉強する機会も有しています。
研究内容
● 遠隔診療のノウハウと実践
● アプリ開発とそれを用いた実践的臨床研究
● 新規ワクチンを用いた生活習慣病治療と予防の基礎/臨床研究
● カテーテルを用いた生活習慣病治療についての基礎/臨床研究
● 治療抵抗性高血圧における成因と治療についての基礎/臨床研究
● 穿刺細胞診診断についての基礎/臨床研究
● レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の病因・診断・治療・予後についての基礎/臨床研究
● 妊娠高血圧症候群の病因・診断・治療・予後についての基礎/臨床研究
● その他各種難治性疾患についての基礎/臨床研究
スタッフ紹介
- 教授・基幹分野長
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市原 淳弘
- 専門領域
- 内分泌代謝科(内科)専門医
動脈硬化専門医
腎臓専門医
高血圧専門医
妊娠高血圧ヘルスケアプロバイダー
- 准教授
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森本 聡
- 専門領域
- 内分泌代謝科(内科)専門医
糖尿病専門医
動脈硬化専門医
循環器専門医
腎臓専門医
高血圧専門医
- 講師
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渡辺 大輔
- 専門領域
- 内分泌代謝科(内科)専門医
糖尿病専門医
大学院
医学研究科内科系専攻高血圧学分野ホームページ
研究可能テーマ
● (プロ)レニン受容体の役割とその発現調節機構に関する検討
● 頭側延髄腹外側野への動脈性圧迫による高血圧の病態生理および治療法に関する検討
● ミネラルコルチコイド受容体刺激を介する高血圧・臓器障害の発症・進展機序に関する検討
● IoTを用いた新しい血圧評価法に関する研究
● 腎除神経術の有効性およびその機序に関する検討
● 腫瘍高血圧についての基礎/臨床研究
● 治療抵抗性高血圧における成因と治療についての基礎/臨床研究
実習可能テーマ
● 各種負荷試験の実施と評価
● 血管柔軟性評価法,交感神経機能評価法
● 頸動脈エコー等、頸部エコー検査、穿刺細胞診の実際
● 頭頸部・体部の画像診断とサンプリング検査